今月のねじまきの題は「 ( ) 」。この記号がパーレーンという名前だということは、川柳をはじめて(ねじまき句会に参加し始めて)何回目かに知った。司会の荻原裕幸さんが、ふつうくらいの大きさの声で「キリンレモン」というくらいのふつうさで「パーレーン」と言いながら通り過ぎたので、あやうく聞き逃すところだった。
(せり、なずな)だれか呼ぶ声(ほとけのざ) なかはられいこ しばらくしてまた「パーレーン」は現れた。今度は落ち着いてその単語を聞いた。 (じきに思い出となる)犬のあしさする なかはられいこ とてもカッコよく見えて、いつか私も使ってみたいと思った。若干の間を置いて実行。もののみごとに失敗。荻原さんは、パーレーンについて、一人称の中の心の「?」を表現するものだと話していらっしゃったと思う。そういう意味できちんと機能しなければ使う意味がないということも、たしか・・・。ちょっと昔のことになり過ぎて記憶が曖昧になっている。そのときの句稿の隅に「パーレーンさん、いつかちゃんとつかってみせるわ」などというメモが残っているのが笑える。実際には、それ以来、極力、記号は使わずに書いてきた。どうしても必要なのかという厳重チェックを課した。そんな、パーレーンが題詠として登場するとは!うーーん。
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by nezimakikukai
| 2020-07-21 14:55
| 火曜日にはねじをまく。
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夕方に珍しく空が明るくなったと思ったら、夕焼けが。いつ以来の夕焼けだろう。青い空と灰色の雲とピンクの夕焼けが層になっている。ピンクだから明日も雨か曇りのようではあるが、ふっと心が緩むのを感じる。コロナウィルス感染症の脅威にのみこまれ、世の中が一変して春を感じる余裕もなかった。6月になって緊急事態宣言は解除されたが、梅雨に入ると雨の日が続き、最近では九州や岐阜で川が氾濫して大きな災害となった。テレビのニュースやワイドショーでも同じ話題ばかりが流れ続ける。川柳の作品にも明らかにコロナの影響が滲む作品も少なくない。川柳が暮らしと共にある以上、それはあたりまえのことなのだが、一種の閉塞感をもたらすことも事実であるように思う。明るくのびのびと元気になりたい!コロナ対策でステイホーム誌上句会を行っている『おかじょうき』5・6月号で、きょうの夕焼けのような句を見つけた。
姉はまだ満月をころがしている 守田啓子 あかね雲抜けられますと書いてある ひとり静 水色で空の段差を埋めてゆく 徳長怜 今週末もまた大雨の恐れがあるとか。梅雨が明けるにはまだ少しかかりそうだ。
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by nezimakikukai
| 2020-07-14 22:05
| 火曜日にはねじをまく。
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2020年、ねじまきの題詠はさまざまな記号にチャレンジしている。どう取り扱うのか、みんなが悩みながらの取り組み。句会で議論を深めたいところなのに、その矢先、コロナウィルス感染症の影響で句会を開くことができなくなり、メール句会とせざるを得なくなった。6月の「%」でやっといつもどおりの句会になったところである。ただ「、」「。」「@」と「%」では、いささか事情が異なる。「、」「。」については、まずその記号がそこにどうしても必要なのかという問題からスタートする。さらに「@」も含めて、「テン」とか「マル」とか「アット」または「アットマーク」と読むのか、読まないのかという問題もある。読み手次第で、音が読まれるかどうかも確定しない。一方、「%」は「パーセント」と読む以外になく、持ち合わせる意味も明確なので、限りなく普段の題詠に近い。個人的には、「、」「。」「@」タイプへの取り組みに、より興味を感じている。
「、」 ぽると、がると、たんぽぽ、和音になって 妹尾凛 「。」 しました。ました。してました。またしてた。 二村典子 「@」 まぶたまんかい@まだ桜まんかい 妹尾凛 「%」 手に触れた2%は光ります なかはられいこ
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by nezimakikukai
| 2020-07-07 14:04
| 火曜日にはねじをまく。
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題詠「 % 」 1 6月のパンダの白を5%増量/八上桐子 (9票:犬山 樋口 丸山 岡谷 妹尾 中川 猫田 米山 黒川) 2 あさがおの数%渦になる/青砥和子 (6票:なかはら 瀧村 犬山 八上 妹尾 竹尾) 3 半分っこと50%との違うわけ/三好光明 (3票:櫻井 早川 八上) 4 昨日より5%は増える愚痴/丸山進 (1票:安藤) 5 浮遊する%まほろばのやまと/瀧村小奈生 (4票:なかはら 二村 青砥 猫田) 6 問題は%さしすせそは変わらない/安藤なみ (6票:櫻井 三好 樋口 中川 米山 黒川) 7 猫舌%もつ鍋から逃げ惑う/竹尾佳代子 (2票:櫻井 猫田) 8 緑茶に1%の媚薬 おだまり!/犬山高木 (2票:青砥 三好) 9 手に触れた2%は光ります/なかはられいこ (8票:瀧村 青砥 八上 妹尾 竹尾 中川 米山 黒川) 10 この愛は純100% どうぞ/黒川利一 11 3%崩して決めたパスワード/中川喜代子 (3票:二村 安藤 犬山) 12 またしてもチョコポッキーが%/樋口由紀子 (4票:なかはら 青砥 三好 岡谷) 13 %夜を盗んでみせましょう/猫田千恵子 (3票:櫻井 樋口 岡谷) 14 パパイヤ29・1%/二村典子 (4票:なかはら 早川 樋口 猫田) 15 らっきょうのかたち100%夜/妹尾凛 (6票:瀧村 二村 安藤 早川 丸山 米山) 16 10%ずれた正論 母でした/米山明日歌 (5票:早川 三好 岡谷 竹尾 黒川) 17 ひとくちで100%酔っている/早川柚香 (1票:丸山) 18 %が顔に見えたあなたとはくちょう座/櫻井誠 (3票:安藤 八上 竹尾) 19 せめぎ合う%とととんぼの目/岡谷樹 (6票:瀧村 二村 犬山 丸山 妹尾 中川) 雑詠 1 あさがおがさいた電車がきたら乗る/なかはられいこ (4票:二村 安藤 樋口 黒川) 2 さよならをポストに入れた時の音/丸山進 (1票:竹尾) 3 なりゆきにまかせきゅうりになっている/八上桐子 (9票:なかはら 瀧村 早川 樋口 丸山 岡谷 妹尾 中川 米山) 4 ミツバチは雪崩に似てる胡蝶蘭/犬山高木 (2票:青砥 櫻井) 5 あたたかいめんどくさいを抱きしめて/早川柚香 (1票:安藤) 6 QRコードの向こうでも驟雨/青砥和子 (12票:なかはら 瀧村 犬山 早川 八上 丸山 岡谷 竹尾 中川 猫田 米山 黒川) 7 代名詞飛ばしコミュニティバス走る/安藤なみ (7票:なかはら 二村 青砥 早川 三好 岡谷 妹尾) 8 マスクの目大きく広げ抜ける風/三好光明 9 きょうこそは蜘蛛らしいことをしようね/瀧村小奈生 (8票:犬山 櫻井 三好 八上 樋口 丸山 妹尾 黒川) 10 昼叱る東成区の東まで/樋口由紀子 (5票:瀧村 八上 岡谷 妹尾 米山) 11 白玉の浮くときスッと背がのびる/米山明日歌 (9票:二村 青砥 安藤 早川 三好 八上 竹尾 中川 猫田) 12 退却の間際も旗を振る役目/猫田千恵子 (2票:櫻井 竹尾) 13 災い転じてソープランドに猫/櫻井誠 (1票:樋口) 14 朝刊の匂いと雨のエクスタシー/岡谷樹 15 戻り梅雨抽斗の奥の抽斗/中川喜代子 (1票:猫田) 16 ドクダミの白さ 十字架の清さ/竹尾佳代子 (2票:猫田 黒川) 17 ようこそ雨の金曜クロワッサン/妹尾凛 (5票:なかはら 二村 三好 丸山 中川) 18 雨の病院黄色の傘が愚図ってる/黒川利一 (3票:安藤 犬山 櫻井) 19 くれまちすなんだよそんな顔をして/二村典子 (4票:瀧村 青砥 犬山 米山) #
by nezimakikukai
| 2020-06-30 16:43
| 句会結果報告
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緊急事態宣言が解除されて、一昨日の日曜日は3か月ぶりのの句会だった。3か月前に比べると格段に安全性が増したのかと考えると、それほどの実感も持てないのだが、やはり顔を合わせて声が聞けるというのはそれだけでうれしい。笑い、言葉に窮し、共感し、反発し、それらのことが整然としないかたちで起こる。それがいいのだと思う。しかも今回は、姫路から樋口由紀子さんがゲスト参加してくださった。今まで何度かお会いしたことはあったけれど、句会で御一緒するのは初めて。これまで樋口由紀子さんのパワフルな面を感じることが多かったのだが、句会では想像していた以上に繊細な真面目さが伝わってきて、改めて大好きになった。久しぶりなので、どの方にもいっぱい話してもらいたいと思うせいか、最後は時間が足りないくらいになってしまった。来月も句会ができるように、今月は参加できなかった方が参加していただけるようになることを願っている。
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by nezimakikukai
| 2020-06-23 22:34
| 火曜日にはねじをまく。
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