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第135回ねじまき句会、雑詠の最高点句。意識される身体、真黒な夜の海、大きな鯨のからだ。伝わるという点で、この句の表現はなんと行き届いているのだろう。「鯨の夜」は、まるで大きな黒い空洞のような鯨を想像させる。「からだしか」ないワタシは「鯨の夜」になるのだ。ワタシの身体も輪郭だけの空洞のように感じられる。この差し迫った感覚は、読む者の身体に言葉を吸収するのと同時進行で入り込んでくる。そんな感触を受け取った。もちろん、読みは人によって異なる。しかし、どの人にも何かを伝える力を持った句であることは確かなようである。
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by nezimakikukai
| 2016-09-27 23:02
| 火曜日にはねじをまく。
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題詠「宮」
1.ぽこぽこと月から宮が生まれます/青砥和子 (5票:犬山 中川 早川 丸山 猫田) 2.月満ちる宮で始める指しゃぶり/猫田千恵子 (3票:犬山 中川 早川) 3.宮刑の宮司なくなく巫女になる/犬山高木 (1票:大嶽) 4.真夜中に宮司モデルの招き猫/三好光明 (1票:丸山) 5.宮仕えした事がある公孫樹/中川喜代子 (8票:なかはら 早川 北原 安藤 瀧村 八上 魚澄 妹尾) 6.消毒をした蚊をチェックする宮内庁/安藤なみ (4票:早川 三好 八上 魚澄) 7.風宮にペトリオットを配備せよ/瀧村小奈生 (4票:なかはら 猫田 青砥 妹尾) 8.世界記録で海宮にたどりつく/妹尾凛 (3票:なかはら 安藤 八上) 9.いにしへの呼吸故宮に充満す/大嶽春水 (1票:北原) 10.羊水を満たし子宮は海になる/早川由香 (2票:北原 安藤) 11.月の野や宮澤賢治かくれんぼ/魚澄秋来 (3票:犬山 青砥 大嶽) 12.荷が下りてほっと二宮金次郎/北原おさ虫 (4票:三好 瀧村 魚澄 大嶽) 13.神宮から駅までにあう蟻の数/丸山進 (7票:中川 北原 三好 瀧村 八上 魚澄 猫田) 14.半身は日陰となって国府宮/なかはられいこ (6票:丸山 三好 猫田 青砥 大嶽 妹尾) 15.重ねてみました守宮のつめたさを/八上桐子 (8票:なかはら 犬山 中川 丸山 安藤 瀧村 青砥 妹尾) 「雑詠」 1.ト音記号ヘ音記号で怒鳴り合う/犬山高木 (3票:なかはら 丸山 魚澄) 2.鬼皮を剥くふるさとは無いけれど/魚澄秋来 (5票:犬山 安藤 瀧村 八上 大嶽) 3.胡麻の実が弾け転がるひとり旅/早川由香 (1票:大嶽) 4.からだしかなくて鯨の夜になる/八上桐子 (11票:なかはら 犬山 早川 北原 丸山 安藤 三好 瀧村 魚澄 猫田 青砥) 5.腰掛ける人畜無害そうな席/猫田千恵子 (7票:中川 早川 三好 魚澄 青砥 大嶽 妹尾) 6.降車所のバスは乗れないバスらしい/瀧村小奈生 (2票:猫田 妹尾) 7.アイロンで伸ばす王家の左肩/青砥和子 (8票:なかはら 犬山 中川 早川 丸山 八上 猫田 妹尾) 8.秋だねえチャスラフスカの脚ひらく/なかはられいこ (3票:犬山 八上 妹尾) 9.いきなりの絶対的な途中下車/三好光明 (5票:中川 安藤 瀧村 八上 青砥) 10.スタッフは皆ところてんアレルギー/丸山進 (5票:なかはら 安藤 瀧村 猫田 青砥) 11.秋空に新しい耳生えてくる/妹尾凛 (4票:中川 北原 丸山 魚澄) 12.鼻摘みミーンミーンと鳴いてみる/北原おさ虫 13.いきなりのノックに怒っている西瓜/中川喜代子 (4票:早川 北原 三好 大嶽) 14.落ちそうな岩の下には鎖蛇/安藤なみ 15.夜更かしの虫と秒針コラボする/大嶽春水 (2票:北原 三好) ■
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by nezimakikukai
| 2016-09-27 22:37
| 句会結果報告
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現在、午後11時11分。台風は名古屋をすでに通過した。静かである。台風の川柳ってどんなのがあるのかと検索してみたが、ウーンな感じだ。「台風・川柳」で新家完司さんの顔写真がバーン!と出ているページがヒットして、思わず「こんばんは。」と挨拶してしまった。台風の川柳の作品は見当たらなかったので失礼して、「俳句・台風」で検索してみた。さすが、滅茶苦茶いっぱいある。台風は秋の季語だから当然なのだろうが、ドカーンとまとめていろいろな作者の作品を見られてしまう。見ていて稲畑汀子さんの台風の句が群を抜いて多いことに気づく。台風がお好きなのだろうか。そんなこともまた面白い。
梯子あり颱風の目の青空へ 西東三鬼 「颱風」の漢字がかっこいい。台風を「颱風」と書くことはきっと一生ないだろうなと思う。 ■
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by nezimakikukai
| 2016-09-20 23:33
| 火曜日にはねじをまく。
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展翅板見つめるときの眼の痛み 小池正博
なぜか私と川柳との出会いはすべて「短歌ヴァ―サス」から始まる。なかはられいこさんとつながって、ねじまき句会に転がり込んだのも「ヴァーサス」のおかげだ。「川柳カード」でも連句でもお世話になっている小池正博さんの句と初めて遭遇したのは、石田柊馬さんのコラムでのことだった。展翅板を見つめるところを想像して「ほんと、痛いわ。」などと独り言を言っていた気がする。川柳を書き始める前の話である。「短歌ヴァ―サス」には、〈現代詩ヴァ―サス〉〈俳句ヴァ―サス〉〈川柳ヴァーサス〉というコラムのコーナーがあって、とても楽しかった。「短歌ヴァ―サス」にご縁をいただいて、ねじまき句会に参加してみると、編集責任者のところに名前があった荻原裕幸さんが司会をしていらっしゃって、相当感動した。いつも出るのを心待ちにしていた雑誌である。あるとき、なくなったということもわからないくらい唐突になくなった。あの短い時期にあの雑誌と出会わなければ川柳を書いている自分は存在しない。2004年9月に私は初めて川柳を書いて初めてねじまき句会に参加した。個人的なことで申し訳ないのだが、9月はついつい振り返ってしまう月である。 ■
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by nezimakikukai
| 2016-09-13 23:13
| 火曜日にはねじをまく。
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「川柳ねじまき」の第3号を年末に発行する予定である。1号、2号と年に1冊のペースで発行してきた。年に一度の雑誌は年刊というのだろうが、あまり聞いたことがない。カメも驚くほどのゆったりペースだ。そして、3号となると怖さも一入である。知らず知らずマンネリ化していないか。黒々と手垢にまみれていないか。そもそも本当におもしろいのか。それでも私たちは挑戦する。読んでくださるみなさんに感謝の気持ちをこめて誠実に向き合いたい。おそるおそる私たちの川柳を差し出してみたいと思う。発行は12月下旬を予定している。
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by nezimakikukai
| 2016-09-06 17:05
| 火曜日にはねじをまく。
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