月刊 ★ ねじまき 

2018年 04月 24日 ( 1 )

川柳作家ベストコレクション『笹田かなえ』

そのつもりなくてもちょっとかたつむり
花束で殴るだなんてアルデンテ
この先はきっと無意味にステンレス

とにかくリズムがよくて楽しい。わらべ歌の歌詞だとか早口言葉とか呪文とかみたいに。けれども、言葉は突拍子もない脈絡で並んでいるわけではなく、「かたつむり」のダンマリ感や、「アルデンテ」の固さ、「ステンレス」のとりつくしまのない無機質さなど、わずかなところで現実とつながっていて、浸透力の高いナノ化粧水のように、すっと馴染んで吸収される。かなえさんの言葉の持つ不思議な力である。

ほっといてほしいところにサイゼリヤ

これも「サイゼリヤ」の選択が素敵。「いらないよ、サイゼリヤ」と「あってよかった、サイゼリヤ」の共存している感覚がピッタリだ。ほっといてほしいところに踏み込んでくれる人のやさしさなどということまで考えてしまう。

アルカイックスマイル 秋が深くなる

aで始まりruで終わる10音と8音の組み合わせ。アルカイックスマイルとは深まる秋のような笑みなのか。まあ、ウルトラマンかもしれないけど。ウルトラマンと秋か・・・かなえさんの言葉から自由にひろがるとりとめもないあれやこれや。そのあれやこれやをプレゼントしてくれるのが笹田かなえさんの川柳のように思われる。

やわらかい場所から暮れる春の暮れ
暗かったことだけ思い出す真昼

やわらかさと暗さに、かなえさんは敏感に反応する。それは、わたしたちに親しいやわらかさと暗さである。

六条御息所的今夜

六条御息所の漆黒の長い髪のような黒洞洞たるたる夜。今夜の闇は六条御息所的なのだ。どこまでも続く暗くてやわらかい闇である。

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by nezimakikukai | 2018-04-24 13:21 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)



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