らきちゃん(会ったこともないのに、馴れ馴れしくてすみません!)の『2018』のタイトルであり、その中の1句でもある。それにしても、「捨ておけ」とは水戸黄門ばりの時代がかった口調だ。「救えるほどの闇」だから放っておいてもだいじょうぶらしい。うっすらと明るい闇を思い浮かべる。だいたい、わたしたちの周りにはこんな闇は山ほどあって、たいていのことはそんなに深刻にならなくても平気なのだと思う。じゃあ、救えないような闇は?それは、アウトだ。だって救えないのだから、残念だけどあきらめるほかない。ということは、どちらの場合でも、わたしたちには、することがないのだ。それはそれで、妙に説得力がある。あ、もしかしたら、救えない闇が相手のときは、黄門様が出てきて助けてくれるかも。それならそれでOKだ。だれかの1句で、こんなふうにいろいろ考えられるって、面白いなあと思う。それにしても、らきちゃんはすごい。毎年ちゃんと自分の1年間の作品をまとめ、通り過ぎたことたちをエッセイにして書き留めて1冊にしているのだから。表紙に葡萄色で印刷された〈樹萄らき〉という名前を眺めながら、自分のいい加減さが恥ずかしくなる。なんとなく、ごめんなさい。