ひらがなもがなだきかたがちがうちちははそふそぼや 広瀬ちえみ わたしたちおとなですからひきょうもの 佐藤みさ子 さるすべりすこしすべってまたすべる 柴田美都 いちじくかざくろかあねかおとうとか 柴田美都 まっとうなおとなよろめいてはいるが 浮千草 あることをないことにしてしまうばしょ 広瀬ちえみ たましいがよろこぶようなことをして 中川東子 『川柳杜人』259号中の平仮名だけで書かれた句である。作者はどんな意図をもって平仮名だけの表記を選択するのか。また、平仮名だけで書かれていることによって、読者は何を受け取るのか。そんなことを考えていたので、手元にあった『杜人』を開いて探してみたら、思っていたよりもたくさんの平仮名の句が見つかった。こんなふうに並ぶと暗号のようである。なぜ、平仮名を選ぶのか。漢字は表意文字なので、漢字表記にすると本来の意味が幅を利かせすぎるということもあるだろう。平仮名が表音文字であるために、ひとつひとつの音が生きてくるということもある。意味が不鮮明になることで、違和感やたどたどしさやが協調される。曲線のつらつらと並ぶ視覚的効果も無視できない。平仮名があり、片仮名があり、漢字を使うにしても選択肢がある日本語であってこそ、川柳や俳句や短歌と言った短詩は成立するのだろう。
by nezimakikukai
| 2018-10-30 23:05
| 火曜日にはねじをまく。
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