川柳作家ベストコレクション『柴田比呂志』夏空になるまで青を積み上げる あおぞらに束になっても敵わない 柴田さんとは、二村典子さんのぺんき句会で初めてお会いした。川柳を書く者どうしが俳句の句会で出会うのだから、御縁とはおもしろい。句集の中には、常に〈青い空〉や〈空の青〉に心を寄せる柴田さんがいる。 いっぽんのポプラのように夢を見る 袋綴じ開けると波の音がする 女の人が少女の心のままでいるというのは嘘くさい気がするけれど、男の人はいつまでも少年の心を持ち続けることができるのかもしれない。 雨の日の新刊書から木の匂い 身の回りのあらゆるものに繊細に反応して句が生まれる。日々を暮らすということが川柳を書くことなのだと再確認させられる句集である。 じれったい距離に私が置いてある いつだって自分は「じれったい距離」に置かれている。他ならぬ「私」自身によって。だからこそ柴田さんは、「私」以外のすべてを丁寧に見つめたり感じたりして、書くことに向かうのだろうか。
by nezimakikukai
| 2018-06-12 23:01
| 火曜日にはねじをまく。
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Comments(1)
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by
柴田比呂志
at 2018-06-13 21:56
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小奈生さま
句集の紹介をしてくださりありがとうございます。 懐かしい匂いのするような文章にしばしうっとりしました。この匂い、間違いなく水の匂いです。 ペンキ句会で学ばせてもらってようやく二年が過ぎました。俳句も川柳と同じで見よう見まねでやっています。 典子さんのかみなりが毎度落ちてもおかしくないのですが、やさしくしてもらっています。 「身の回りのあらゆるものに繊細に反応して句が生まれる。日々を暮らすということが川柳を書くことなのだと再確認させられる句集である。」のコメントがありがたいです。句集を出したことで、少しは人様のお役に立てたように思えてきました。ありがとうございました。
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