川柳作家ベストコレクション『柴田比呂志』
夏空になるまで青を積み上げるあおぞらに束になっても敵わない柴田さんとは、二村典子さんのぺんき句会で初めてお会いした。川柳を書く者どうしが俳句の句会で出会うのだから、御縁とはおもしろい。句集の中には、常に〈青い空〉や〈空の青〉に心を寄せる柴田さんがいる。いっぽんのポプラのように夢を見る袋綴じ開けると波の音がする女の人が少女の心のままでいるというのは嘘くさい気がするけれど、男の人はいつまでも少年の心を持ち続けることができるのかもしれない。雨の日の新刊書から木の匂い身の回りのあらゆるものに繊細に反応して句が生まれる。柴田さんの句集を読んでいると、日々を暮らすということが川柳を書くことなのだと再確認させられる。じれったい距離に私が置いてあるいつだって自分は「じれったい距離」に置かれている。他ならぬ私自身によって。その自意識が、「私」以外のすべてを丁寧に見つめ感じて、書くことに向かわせるのだろうか。
by nezimakikukai
| 2018-06-12 23:00
| 火曜日にはねじをまく。
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