月刊 ★ ねじまき 

レトリックについての断片

野内良三氏の『レトリックと認識』の中から、気になったいくつかの断片(※)を引用する。あるときには、何の気もなく通り過ぎていた言葉が、別のときにはとても近しく感じられることがある。

※レトリックは世界(自己)を「語る」ための技術であるだけではない。世界を「発見する」ための方法でもある。世界を「読む」ための方法でもある。

※私たちの日常の発話は手垢にまみれた「慣用表現」からなっている。私たちは他人がすでに使った言葉を引用しながら、自分のおもいを表現する。ほとんどの場合はそれで十分に用は足りる。

※ところで、言葉というものは意外に融通無碍なものである。ふだん結びつかないものでも強引に並べてみると何となくそれらしい意味を帯びてくる。「冷たさ」と「情熱」とは常識的には矛盾する概念である。しかし「冷たい情熱」という言い方はある条件下では立派に通用するはずだ。

※現代レトリックは「世界/テキストを読む」認識者の立場を強調する。想像力を羽ばたかせると、この世界の事物間には思いもかけなかったような関係が結ばれることになる。それは新しい物の見方に通じる。

レトリックは単に効果的な表現のための技術ではなく、私たちに世界の新しい見方を示してくれる〈可能性〉なのだと思う。

  

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by nezimakikukai | 2018-05-15 23:16 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)
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