月刊 ★ ねじまき 

川柳作家ベストコレクション『守田啓子』

広がってゆくのあたしのほころびが
交番に届くわたしの欠けたとこ
さらされるあたしのもふもふした部分
綿棒で哀しいとこを触られる
とんがりがあるかときどき触れてみる

かなしいことやうれしいこと、しっくりこない感じや喪失感。それらを身体的な感覚として受け止めたことろから生まれてくる川柳である。それは、とてもシリアスなものであるはずだが、、守田敬子さんの句からは深刻さやジメジメしたものは感じられない。「交番に届く」や「綿棒で」、あるいは「もふもふした部分」という言葉の装置をくぐることで、確かな共感を呼び起こしつつ、読む者をくすっと笑わせてくれるからである。

こんなとき線香花火持たされる

「こんなとき」、「線香花火」、「持たされる」の「れる」の関係が絶妙。「こんなとき持たされる」ものとしての線香花火、「線香花火持たされる」のがこんなときであったということ、そして自らの意志ではなく「持たされる」という受け身であること。余儀なく、しかもどこか明るい。繊細だがへこたれない生命力を感じる。

他人にも自分にもこんにゃくである

と啓子さんは言うのだが。

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by nezimakikukai | 2018-04-14 21:16 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)
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