アリスの頬もデーモン閣下の頬も。
6月の題詠は「頬」。「頬」の文字を含む句が20句ずらりと並んでいる様は何やらおもしろい。まさに頬、頬、頬の図である。普段は見られない「キス」だの「恋」だのという単語も飛び出して、「頬」という語の持つ力を改めて知ることとなる。ふっくらと紅をさしたアリスの頬もあれば、白地にグレーで区切られたデーモン閣下の頬もある。なかなかやるなあ、頬。20句の中でもっともシンプルだと思えるこの句に心ひかれた。
頬骨のカーブが同じ顔二つ 猫田千恵子 この二つの顔は血縁者だろう。「頬骨のカーブ」という繊細な部分がまさに同じなのである。だからどうというわけでもなく、作者は同じ顔が二つあるよと言うだけだ。それで十分伝わってくるものがあることがおもしろい。同じだとうれしいとか嫌だとかでもなく、同じだという厳然とした事実がある。頬骨のカーブや、薬指の傾き方や、背中の肉の付き具合など、同じとしか言えない何かに気づいたときの感慨がまざまざと伝わってくる。
by nezimakikukai
| 2017-07-04 23:44
| 火曜日にはねじをまく。
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