夏目漱石「写生文」より。
川柳にも通じるところがあるようでおもしろかったので引用してみる。「・・・・・隣の御嬢さんが泣くのを拝見するのは面白い。これを記述するのも面白い。しかし同じように泣くのは御免蒙りたい。・・・・・従って写生文家の描く所は多く深刻なものではない。否如何に深刻な事を書いてもこの態度で押し通して行くから、ちょっと見ると底まで行かぬような心持がするのである。しかのみならず、この態度で世間人情の交渉を視るから大抵の場合には滑稽の分子を含んだ表現となって文章の上にあらわれて来る。・・・・・」漱石によれば「不人情な立場」に立つのが写生文家だということになるのだが、そうでないと描けないものがあるのだ。いっしょに泣きわめいてしまったら見えなくなるものがある。この写生文家の態度は、川柳を書く人にも共通するものではないだろうか。
by nezimakikukai
| 2015-07-07 22:54
| 火曜日にはねじをまく。
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