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月刊 ★ ねじまき 

親戚が減ってきれいに歯を磨く   丸山進

第162回ねじまき句会、雑詠の最高得点句。
〈いやもう説明とかいいでしょレベル〉のお気に入りの1句である。でも、うちに帰って若い人たちの顔を見ていたら、この句の味わいは、ある年齢以上の人でないと、すんなりとはわからないのかもしれないと思い直した。人の死にもいくつか立ち合い、人生の経験値を積み重ねた人には、この句の淡々とした感じが好ましく感じられるのだと思う。近しい人を失くすのは悲しい。とはいうものの、通夜から帰った日だって、ご飯も食べれば歯も磨く。歯を磨きながら、考えるともなくぼんやりとしたもの思いにふける。「歯を磨く」という動作をしているときは、考えごとくらいしかできない。歯の抜けるようにいなくなる親族のイメージ、歯によって連想される年齢ということの意味など、説明してしまうと身も蓋もないけれど、すべての言葉がこの句の世界を構築する不可欠の要素になっている。「きれいに」の、少々とぼけた感じさえする嫌味の無い明るさがいい。

# by nezimakikukai | 2019-08-06 21:04 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

『川柳スパイラル』第6号

なるようになるまでの深い守備位置   重森恒雄

「なるようになる」というのは、よく使われる言葉だけれど、そのことが言葉としてではなく、本当にわかっている人によって発せられると、海のように深い安心感を与える。人生の経験をいっぱい積んできて、いろんなものを通り抜けてきた人は、やけくそになったり諦めたりするのではなくて、淡々と「なるようになる」と言えるのだろう。「深い守備位置」と言われるだけで、そういうもろもろが、すっと伝わるように感じられて気持ちよい。エアコンのきいた部屋とお湯のような廊下を出入りしつつ仕事をして消耗しているときに、この句を読んだら、一瞬涼しくなるような錯覚を覚えた。「なるようになる」を本当に知っている人の句ではないだろうか。

『川柳スパイラル』第6号は、藤本秋声氏の〈京都柳壇と革新の歴史〉や、桒原道夫氏の〈「川柳雑誌」発刊までの麻生路郎〉など多彩な記事も充実していて興味深い。

# by nezimakikukai | 2019-07-30 18:39 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

第162回ねじまき句会

題詠「帰」

1  いっさいはひぽぽたますの帰り道/妹尾凛

(6票:なかはら 瀧村 二村 犬山 丸山 猫田)

2  職安の帰りに食べよりんご飴/櫻井誠

(3票:二村 青砥 八上)

3  帰還した兵士のように水を飲む/中川喜代子

5票:青砥 安藤 北原 黒川 岡谷)

4  模擬店で買って帰ったところてん/二村典子

(1票:三好)

5  北帰行 円空という僧がいた/黒川利一

(2票:青砥 妹尾)

6  っていうか雲がとぎれて北帰行/青砥和子

(6票:櫻井 丸山 岡谷 妹尾 猫田 八上)

7  帰ったら光合成をすこしする/なかはられいこ

(9票:瀧村 犬山 北原 中川 早川 丸山 岡谷 妹尾 八上)

8  ゆっくりと波打ち際に帰ります/三好光明

(1票:黒川)

9  奇っ怪な帰巣本能知るマナカ/早川柚香

(2票:安藤 三好)

10 帰国便だった最終便だった/岡谷樹

(2票:櫻井 早川)

11 帰りたくないけど帰るけど饂飩/瀧村小奈生

(6票:なかはら 二村 犬山 中川 早川 八上)

12 回帰するマリオネットのコードレス/安藤なみ

(2票:櫻井 妹尾)

13 帰省してしばらく寄生虫になる/北原おさ虫

(2票:安藤 黒川)

14 増水の川ひとしきり見て帰る/八上桐子

(5票:なかはら 瀧村 櫻井 黒川 猫田)

15 ミートゥーと鳴いてしまった不如帰/猫田千恵子

(10票:なかはら 二村 青砥 安藤 犬山 北原 中川 三好 丸山 岡谷)

16 プチ家出もう帰ろうと骨が鳴る/丸山進

(4票:北原 早川 三好 猫田)

17 日輪帰る海に浮かぶデルモンテ/犬山高木

(2票:瀧村 中川)

雑詠

1  ちがうから曇り空とも童話とも/なかはられいこ

(7票:青砥 犬山 中川 三好 岡谷 妹尾 八上)

2  織姫と彦星ガストは午前四時/櫻井誠

(4票:二村 妹尾 猫田 八上)

3  違和感のあるラムネ玉の大きさ/二村典子

(4票:瀧村 中川 早川 黒川)

4  カルピスの水玉散らし逢いにいく/早川柚香

5票:なかはら 瀧村 黒川 丸山 猫田)

5  銀色の声浴びた日のふらんねる/八上桐子

(3票:なかはら 瀧村 黒川)

6  蟷螂を痛風にする秋の風/北原おさ虫

(1票:黒川)

7  小瓶に移し替える蛍のはなし/岡谷樹

(7票:二村 青砥 安藤 三好 妹尾 猫田 八上)

8  手から手へひかり流れてカーニバル/青砥和子

9  バカボンのパパのポーズで切りぬける/黒川利一

(2票:北原 中川)

10 目いっぱい途中を回すかき回す/三好光明

(2票:二村 丸山)

11 烏賊臭い男やなあとはじまりぬ/瀧村小奈生

(2票:青砥 犬山)

12 借景の入り江にマダムバタフライ/安藤なみ

(5票:櫻井 北原 中川 早川 丸山)

13 桃らしい顔をしていて憎らしい/猫田千恵子

(6票:なかはら 櫻井 北原 早川 三好 岡谷)

14 きみの夕凪ひとつだけもらいます/妹尾凛

(2票:櫻井 三好)

15 「ガッテン」を誘導される波頭/中川喜代子

(3票:安藤 犬山 丸山)

16 親戚が減ってきれいに歯を磨く/丸山進

(10票:なかはら 瀧村 二村 青砥 安藤 犬山 櫻井 岡谷 妹尾 八上)

17 顔立ちの良い嘘アンティークな胡瓜/犬山高木

(5票:安藤 北原 早川 岡谷 猫田)


# by nezimakikukai | 2019-07-29 20:40 | 句会結果報告 | Comments(0)

『川柳カモミール』No.3

明けない梅雨もあるかもしれないと暗い気持ちになり始めていた矢先、きょうは晴れ!蒸し暑いけど明るい夏の日が来た。そして、青森からは『カモミール』No.3が来た。いいことは続く。

父さんの「う」の形からはじまった    守田啓子

「とうさん」の「う」?発音すると「トーサン」なので「う」はどこにもない。もちろん、くちびるも「う」の形をつくらない。はじまりなんて、どこだかわからないし、意外といい加減なものだったりするから、わたしには妙に納得できる「う」の形だった。あると思っていてないものや、間違った思い込みなどのイメージが重なる。他にもいろいろ想像はできて、父さんが口をとがらせて「う」と声を詰まらせるような何かが起こったことが発端であるとか、本当に父さんが平仮名の「う」のポーズをとってみるとかも考えてみたのだが、わたしは今のところ、どこにもない「とうさん」の「う」説が気に入っている。

# by nezimakikukai | 2019-07-23 16:11 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

きりすとの顔

ちょっと前に『川上三太郎の川柳と単語抄』(新葉館ブックス)を読む機会があった。

基督のやうな顔して鰻ゐる    川上三太郎

でも、結局この鰻は食べちゃうんですよね、きっと鰻好きだったんですよね、などと話した。鰻にキリストの顔をみることは意外でもあるが、みんなの罪を一身に背負って磔刑になったキリストの表情を想像すると違和感はない。ちょっとおもしろいという「ちょっと」のところが微妙で、その微妙さに惹かれる。そういえば、こんな俳句もあることに思い至る。

キリストの顔に似ている時計かな  阿部青鞋

これは、意外である!意外なのに、言われてみると妙に腑に落ちる。一緒に話していた人に、「これは俳句?季語は?」と言われて、あら!?と気づく。確かに季語はない。「でも、俳句なんですよ。」と言いながら、一度でいいからこんなこと思いついてみたいなと思う。もちろん、わたしが書けば川柳である。


# by nezimakikukai | 2019-07-16 14:19 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

イベントのお知らせです。

【イベント】現代川柳と現代短歌の交差点 

岡野大嗣×なかはられいこ×平岡直子×八上桐子 司会:小池正博

2018年の刊行後、話題をさらい異例の増刷となった、八上桐子句集『hibi』をはじめ、現代川柳の句集が注目されています。

いま、現代川柳の世界はどうなっているのでしょうか。
また、どのような作品が書かれているのでしょうか。

句集『hibi』の著者の八上桐子さん、そして、「ビル、がく、ずれて、ゆくな、ん、てきれ、いき、れ」という句が、平成を代表する句として再評価されている、川柳界の第一人者なかはられいこさんに、川柳の今を語っていただきます。

また、ゲストに、川柳にも造詣の深い、歌人の岡野大嗣さんと平岡直子さんをお迎えして、短歌側からみえる川柳の特殊性や、短歌との共通点をお話しいただきます。

川柳、俳句、短歌。それぞれジャンルの特性と思われていたものが本当にそうなのか。
雑誌「川柳スパイラル」で、詩歌における他ジャンルとの交流を積極的に進めている、小池正博さんを司会として、実はとても面白い、知られざる現代川柳の世界をご紹介します。

第一部ではトーク、第二部では、事前にお送りいただいた川柳を基に、川柳句会を行います。

また、川柳句会の終了後、サイン会も実施します。

またとないこの機会に、ぜひご参加下さい!


【川柳句会のご参加について】
川柳句会にご参加いただける方は、梅田蔦屋書店の申し込みフォーム 

https://store.tsite.jp/umeda/event/humanities/7751-1431560626.html

の備考欄「予約についてのご要望などメッセージがございましたらご記入ください」の欄に、柳号(川柳のペンネーム・ご希望があれば)と川柳一句をご記入下さい。

川柳の応募は9月16日(月)終日までになり、その後、申し込みをされた方は見学のみになります。
川柳は未発表の自作をお送りください。イベントでは柳号(柳号がなければ作者名)も公開となります。
川柳を作らず、見学だけのご参加も歓迎です。
# by nezimakikukai | 2019-07-08 16:05 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

題は「帝」

6月の題は「帝」だった。たしかに、部首はハバですが、そうではありますが…。きっと全員が初めて向き合った題である。題は出会いであり、いただいたチャンスだとは思うものの、どうにも難物であることに間違いない。真正面から取り組んだものか、斜めに逃がすのか。マジでいくのか、笑いをとるのか。がっつり意味を持たせるのか、ナンセンスに走るか。たぶん、わたしがゴチャゴチャ考えたように、みんなもすったもんだしたことだろう。「炎帝」「白帝城」「帝国書院」「皇帝」「皇帝ペンギン」「帝」「帝国ホテル」「帝国主義」「帝国」「女帝」「帝王切開」。すんごいラインナップ。戦ったなあ、という感じである。

短夜のくすくす帝国書院地図   瀧村小奈生

「短夜」がクサいけど、いちおう題詠の最高得点句。「くすくす帝国」と読んでもらえたら幸い。

# by nezimakikukai | 2019-06-25 22:50 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

第161回ねじまき句会

題詠「帝」

1  炎帝に手足差し出して行進/青砥和子

(4票:黒川 中川 三好 岡谷)

2  白帝城夏の泡ならおぼれたい/櫻井誠

(3票:瀧村 黒川 妹尾)

3  短夜のくすくす帝国書院地図/瀧村小奈生

(11票:なかはら 安藤 犬山 中川 猫田 早川 八上 丸山 岡谷 妹尾 米山)

4  皇帝の銅像の馬から診断書/中川喜代子

(3票:櫻井 黒川 三好)

5  改憲か護憲か皇帝ペンギンか/なかはられいこ

(6票:瀧村 犬山 櫻井 中川 猫田 八上)

6  指紋くっきり皇帝の足の裏/岡谷樹

(3票:瀧村 青砥 猫田)

7  からから笑う皇帝の片笑窪/猫田千恵子

(1票:黒川)

8  雷鳴を帝はゆるり御簾で聞く/安藤なみ

(3票:櫻井 八上 妹尾)

9  帝さえ振って帰るの定時には/早川柚香

(4票:なかはら 安藤 三好 丸山)

10 水の「み」、火の「か」、土の「ど」 焼き物は帝/黒川利一

(2票:中川 岡谷)

11 うすぐもり帝のためのバターパン/妹尾凛

(6票:なかはら 瀧村 犬山 櫻井 早川 丸山)

12 白鳥の息帝国ホテルマーガリン /八上桐子

(6票:なかはら 安藤 早川 岡谷 妹尾 米山)

13 二股に帝国主義的にわれる/犬山高木

(3票:青砥 八上 米山)

14 鍵っ子の帝国の名は宝島/三好光明

(3票:安藤 丸山 米山))

15 あんなとこでポツンと女帝オーデション/丸山進

(3票:青砥 猫田 早川)

16 春の黒だけ 帝王切開する/米山明日歌

(3票:青砥 犬山 三好)

雑詠

1  仕事したふりして立ち呑み金曜日/櫻井誠

(1票:安藤)

2  五線譜で跳ねる幸せな玉ねぎ/猫田千恵子

(4票:櫻井 中川 岡谷 妹尾)

3  雨が好き昔わたしは雨だった/黒川利一

(1票:青砥)

4  劇団員の訃報葉っぱ落ちてる/犬山高木

(3票:安藤 猫田 米山)

5  梅雨寒にゆっくりはがせという葉書/中川喜代子

(6票:瀧村 青砥 犬山 早川 八上 妹尾)

6  木耳の匂いひたひた夜を踏む/瀧村小奈生

(7票:なかはら 櫻井 黒川 丸山 岡谷 妹尾 米山)

7  肩がほしがって大きい本を買う/八上桐子

(5票:青砥 犬山 黒川 猫田 三好)

8  房長き藤すれすれの声が好き/青砥和子

(10票:なかはら 瀧村 安藤 櫻井 中川 早川 三好 八上 丸山 米山)

9  我慢は禁物 味噌カツは好物/三好光明

10 粒餡のために負けられぬ尻餅/丸山進

(3票:櫻井 猫田 三好)

11 クリームホィップジャンプする鯛焼きのあん/安藤なみ

(2票:なかはら 早川)

12 追いかけて順に弾けて消える泡/早川柚香

(2票:黒川 猫田)

13 夜で雨で梔子だったおばあちゃん/なかはられいこ

(10票:瀧村 犬山 中川 早川 三好 八上 丸山 岡谷 妹尾 米山)

14 約束は約束として半夏生/岡谷樹

(2票:黒川 八上)

15 半音下げたままで病んでいく音/米山明日歌

(1票:犬山)

16 こつぜんと雨がふりだすあみだくじ/妹尾凛

(7票:なかはら 瀧村 青砥 安藤 中川 丸山 岡谷)


# by nezimakikukai | 2019-06-25 22:28 | 句会結果報告 | Comments(0)

梅雨の晴れ間です。

先週末に梅雨入りしてから、律義なほどちゃんと雨が降っている。空もどよんとした曇り空。昨日の天気予報を見た段階では、きょうも雨が降りそうだった。ところが、朝起きてみると太陽の光が明るい。やったー!坂道を上っていると(わたしの住んでいるところは坂だらけで、地名にはやたら「山」が付く)、ふるふると1句が浮かび上がってきた。

サンクトペテルブルク的梅雨晴れ間   犬山高木

まさにきょうは梅雨の晴れ間。サンクトペテルブルクだー!。この句に初めて出会ったのは2年前の梅雨の時期だった。そのときにうまく説明できないけれど、ぐいっと惹きつけられた。2年たって、さらに確信する。梅雨の晴れ間はサンクトペテルブルク的なのである。時間の経過がこの句における「サンクトペテルブルク」のかけがえのなさを証明したのだと思う。

# by nezimakikukai | 2019-06-11 18:01 | Comments(0)

『川柳フェニックス』No.12より

ゆるゆるのパジャマのような思いやり     平子久仁子

ぴっちりタイトなのはしんどいので、ゆるゆるはありがたい。ありがたいのだから、思いやりと言える。言えるがしかし、パジャマだからタイトなはずもなく、だいたいがダボっとしている。それのゆるゆる版って、ほんとうに必要なの?普通でいんじゃない?ってことは、相手の気持ちはわかるし、その気持ちにありがたさは感じるものの、実は要らない思いやりってことなんじゃないだろうか。いや、もう、わたしもそこまでは必要ないですから、大丈夫ですから、と言いたくなってしまう種類の思いやりもある。「ゆるゆるのパジャマ」は状況を十二分に伝える比喩だ!それにしても、パジャマを買わなくなってから久しい。昔は夜に眠るときは、〈ぜったい〉パジャマに着替えたのに。

ゆっくりとほどいています長い夜       三好光明

この「長い夜」は一人で過ごしている長い夜のような気がしなくてほっとする。「ゆっくりとほどいています」と語りかける口調のせいだろうか。寂しく孤独に耐えている夜のことなら、こんなふうに誰かに伝えられそうにないから。毛糸をほどくとき、両手を出して巻き取ってくれる相方のような人が、長い夜を一緒にすごしているのだと思う。ひとりぼっちでなかなか明けない夜を過ごしていたら、なんだか焦ってこんがらがってしまいそう。あたたかく明るい夜の風景だ。

# by nezimakikukai | 2019-06-04 15:07 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

ねじまき吟行会

5月はねじまき年間予定に組み込まれていた通り、吟行会を行った。想定外なのは異常に高い気温。帽子をかぶったり日傘をさしたり、もちろんペットボトルを携えての出発だ。場所は名古屋港ワイルドフラワーガーデン。金山から市バスで約30分である。参加者は10名。みんなでバスに乗って、これはどこからどう見ても遠足!11時過ぎに入場して解散、ガーデンをめぐり、句をつくり、14時に多目的ホールに集合して6句を出句、その後互選をした。
その中から、それぞれの自選1句を。

額紫陽花合歓の根元の昼寝かな     安藤なみ
風の声して機内モードのままに     岡谷樹
僕の海空とぶ鯨育ててる        黒川利一
マブシイを踏んづけマブシイが滲む   瀧村小奈生
敷石のハートにちょっと照れて乗る   中川喜代子
巻き舌でローズマリーの花は咲く    なかはられいこ
日時計の六時あたりがいいかげん    二村典子
一瞬の貴婦人となる木の橋で      早川柚香
罪状はポピーと決まる花の宴      丸山進
エコ切符見せて割引20円       三好光明

相当暑かったけど、やっぱり吟行会は楽しい!

# by nezimakikukai | 2019-05-28 14:34 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

アイスクリン

『川柳木馬』第160号が届いた。

アイスクリン自分がアホと思う日に   岡林裕子

あ、アイスクリン!さすが高知!とときめいたあとで、ふと思った。こういう句が川柳の出発点なのかも、と。生活という現実の中の「自分」と、現実を離れて自由になれる「自分」をつなぐ言葉が、この句における「アイスクリン」である。自分のことを「アホ」と思った日はどんな日だったのだろう。へこたれてぺしゃんこの日だった?泣くに泣けないほどのアホさ加減に呆れていたとか?しゃりしゃりとしてやさしい甘さの「アイスクリン」を食べたら、なんだか気持ちが明るくなったのだろうか。いや、「アイスクリン」とつぶやいてみただけかもしれない。唱えるだけでもじゅうぶんに元気が出る効果のありそうな単語だ。こういうとき「アイスクリーム」と「アイスクリン」には大きな違いがある。もちろん、高知県民以外だとある一定の年齢以上の人にしか、この郷愁を含んだニュアンスは伝わらないかもしれないが、それでも「クリン」の音は何かを伝えそうだ。「アイスクリン」を見つけて五七五にすることって、素敵なことだなあと改めて思う。この句を読んだ別の「アホ」な人が、「アイスクリン」という呪文を手に入れることになるのも素敵だ。川柳を書くことの基本形みたいなものを感じさせてくれる句だと思った。

# by nezimakikukai | 2019-05-21 23:10 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)



川柳句会「ねじまき句会」の公式サイトです
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