月刊 ★ ねじまき 

「川柳杜人」70周年記念句会。

11月4日(土)に「川柳杜人」の70周年記念句会が行われる。そしてこの句会は、山河舞句追悼句会でもある。舞句さんに初めてお会いしたのが去年の秋。それが最初で最後になるとは夢にも思わなかった。一度聞いたら忘れることのできない素敵な声と穏やかな物腰が印象的だった。「杜人」254号は舞句さんの追悼号になっていて、はじめて舞句さんの川柳をまとめて読ませていただいた。

海を見たくてタイムカードを押している

タイムカードを押す日常を繰り返しながら海に誘われる心。でも海に行くことはなく、休まずタイムカードを押し続ける日々が続く。タイムカードを押すたびに潮騒を聞き、潮の匂いをかぐ。海を見たくてタイムカードを押すというのは、こういうことなのだろうか。

パチンコ屋の灯りだあれがニッポンだ

こんな句も。思わず、西岡たかしの「遠い世界に」を思い出した。そういえば二人は同じ世代かも。「まぼろしの翼とともに」と歌ったフォークソング歌手と共通のスピリットを抱えていらしたのだろうか。

コロッケを2個お願いという電話

2個をどうとらえるかがおもしろい。2個だから生まれる誤解。頼まれたほうは、相手と自分の1個ずつだと信じて疑わない。でも実は頼んだほうは、自分が2個食べたかったのだ、とか。舞句さんなら1個ずつだと思い込みそうだなあ。優しくて、ちょっとさびしそうな表情が浮かぶ。

舞句さん、11月に仙台に会いに行きますね。
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# by nezimakikukai | 2017-07-11 23:17 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

アリスの頬もデーモン閣下の頬も。

6月の題詠は「頬」。「頬」の文字を含む句が20句ずらりと並んでいる様は何やらおもしろい。まさに頬、頬、頬の図である。普段は見られない「キス」だの「恋」だのという単語も飛び出して、「頬」という語の持つ力を改めて知ることとなる。ふっくらと紅をさしたアリスの頬もあれば、白地にグレーで区切られたデーモン閣下の頬もある。なかなかやるなあ、頬。20句の中でもっともシンプルだと思えるこの句に心ひかれた。

頬骨のカーブが同じ顔二つ    猫田千恵子

この二つの顔は血縁者だろう。「頬骨のカーブ」という繊細な部分がまさに同じなのである。だからどうというわけでもなく、作者は同じ顔が二つあるよと言うだけだ。それで十分伝わってくるものがあることがおもしろい。同じだとうれしいとか嫌だとかでもなく、同じだという厳然とした事実がある。頬骨のカーブや、薬指の傾き方や、背中の肉の付き具合など、同じとしか言えない何かに気づいたときの感慨がまざまざと伝わってくる。
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# by nezimakikukai | 2017-07-04 23:44 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

第141回ねじまき句会

題詠「頬」

1.うつくしい頬からハブ茶プーアール/瀧村小奈生
(5票:なかはら 安藤 水野 岡谷 青砥)
2.恋かしら頬があなたに投げキッス/北原おさ虫

3.初夏のアリスの頬をくださいな/魚澄秋来
(10票:丸山 瀧村 中川 犬山 岡谷 猫田 一帆 三好 八上 米山)
4.更地濡れゆくデーモン閣下の頬/八上桐子
(7票:なかはら 瀧村 妹尾 犬山 青砥 一帆 米山)
5.ほらほら落ちてるよ頬がそちこちに/妹尾凛 
(4票:中川 岡谷 猫田 大嶽)
6.目から頬へ連絡船を乗り換える/ 岡谷 樹
(8票:妹尾 北原 安藤 水野 丹下 青砥 大嶽 三好)
7.素っぴんの少女の頬に残る六月/青砥和子
(9票:丸山 魚澄 中川 早川 水野 丹下 猫田 一帆 八上)
8.頬白きペコちゃんといくエジプト展/犬山高木
(5票:丸山 魚澄 妹尾 猫田 八上)
9.頬の横コケかウブ毛か剃り残し/早川由香

10.あけがたの頬に触れる手、ゆび、どなた/なかはられいこ
(3票:魚澄 安藤 丹下)
11.それ以上進めなくする頬のキス/水野奈江子
(4票:早川 丹下 大嶽 三好)
12.うっとりと頬をゆるめるお焼香/三好光明
(4票:丸山 北原 八上 米山)
13.満月に頬の範囲はマキシマム/丸山 進
(8票:なかはら 瀧村 妹尾 早川 水野 三好 一帆 米山)
14.頬杖をつくと少女にもどる母/大嶽春水
(8票:なかはら 瀧村 魚澄 北原 犬山 早川 丹下 青砥)
15.頬杖をついて数える脛の傷/一帆
(3票:北原 安藤 中川)
16.頬杖が卑弥呼のお家尋ねてる/中川喜代子
(2票:丸山 水野)
17.頬骨のカーブが同じ顔二つ/猫田千恵子
(10票:なかはら 瀧村 魚澄 妹尾 北原 早川 犬山 岡谷 青砥 大嶽)
18.言い訳は頬っぺに詰めて飲みこんだ/丹下純
(2票:中川 大嶽)
19.缶詰のみかん頬張る蚊帳の中/安藤なみ 
(3票:岡谷 八上 米山)
20.これからの緑ばかりの頬袋/米山明日歌
(5票:安藤 犬山 猫田 一帆 三好)

雑詠

1.雨乞いの祝詞忘れた小紫陽花/中川喜代子
(2票:大嶽 三好)
2.サンクトペテルブルク的梅雨晴れ間/犬山高木
(9票:なかはら 丸山 瀧村 妹尾 中川 岡谷 猫田 三好 八上)
3.水無月の開襟シャツの躍り食い/丸山 進
(2票:瀧村 米山)
4.青色さ無駄があろうとなかろうと/三好光明
(6票:魚澄 北原 中川 丹下 大嶽 米山)
5.戻れない紫陽花寺の倦怠期/水野奈江子
(2票:猫田 一帆)
6.赤だったところもうすぐ痒くなる/早川由香
(1票:なかはら)
7.狐火は霧の扉を振りかえり/安藤なみ 
(3票:中川 水野 丹下)
8.くしゃみから雨と梔子は生まれ/なかはられいこ
(7票:丸山 瀧村 妹尾 岡谷 青砥 猫田 八上)
9.亀は万年密やかな霧雨と/青砥和子
(4票:妹尾 犬山 丹下 猫田)
10.翼からいくか 尻尾からにするか/岡谷 樹
(8票:北原 安藤 中川 早川 水野 青砥 一帆 三好)
11.つくりものめいた蝸牛行き交う/妹尾凛
(5票:魚澄 安藤 水野 青砥 大嶽)
12.伏線を持ち上げ足をひっかける/猫田千恵子
(6票:瀧村 安藤 早川 犬山 岡谷 八上)
13.靴眠るあるじの足の形して/丹下純
(9票:なかはら 瀧村 丸山 魚澄 北原 犬山 水野 一帆 大嶽)
14.十三夜少女のままの深い谷/魚澄秋来
(3票:中川 一帆 米山)
15.アンドロイドもアンドロメダも4畳半/北原おさ虫
(9票:なかはら 丸山 魚澄 妹尾 岡谷 猫田 一帆 三好 八上)
16.何もかも何よりまずはママレモン/瀧村小奈生
(3票:妹尾 早川 水野)
17.やや危険思想気味なるこしあん派/八上桐子
(8票:丸山 北原 安藤 早川 犬山 丹下 青砥 米山)
18.太陽が昇るからまた囚われる/ 一帆
(4票:丹下 岡谷 大嶽 米山)
19.洗われたティシュのような忘れ方/米山明日歌
(9票:なかはら 魚澄 北原 安藤 早川 犬山 青砥 三好 八上)
20.うぐいすは小さな声で自己主張/大嶽春水
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# by nezimakikukai | 2017-06-28 17:02 | 句会結果報告 | Comments(0)

靴眠るあるじの足の形して    丹下純

どうということのない日常が気負いなく切り取られている。靴は玄関に脱がれたままの形で置かれている。人は寝静まった頃だろう。そこには書かれていない薄暗い闇と薄明るい光まで感じられる。「あるじ」という言葉が靴の持ち主の不在を鮮やかに意識させる。句会での読みでは、「あるじ」は亡くなった方だという読みと、そうではないという読みとがあったが、それはどちらとも考えられるし、読者に委ねてよいと思う。「眠る」という言葉が死を連想させるのだと思われるが、必ずしも死者に限る必要もないだろう。玄関で眠る靴には確かに「あるじ」がいた。そこには「あるじの足の形」が明らかに存在する。しかし、「あるじ」は不在である。その不在または喪失の感覚がこの句の中心ではないだろうか。読んだときに、ネムルのルからアルジのル、アルジのアからアシのアへとつながる音とリズムが心地よい。わかりやすい言葉で場面をわかりやすく描きながら、奥行きがあり、受け取ることのできる情報量の多い句である。
丹下純さんは、5月からねじまき句会に参加したニューフェースである。とは言っても、朝日新聞の東海柳壇の常連でもあり、お名前をご存知の方も多いにちがいない。純さんの参加でねじまきはいっそうパワーアップしている。
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# by nezimakikukai | 2017-06-27 23:12 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

桑原武夫さんです。

文学作品は、それ自体として独立した客観的な一つ一つの「もの」である。近代リアリズムに立つ小説は、とくにそうである。だから、その作品を作者がいかなる状況で、いかにして書いたか、またその苦心などを知ることは、もちろん悪いことではないが、それらは作品享受のために不可欠な前提条件ではない。つまり、すぐれた作品は、そういうことを何も知らずに、直接ぶつかってわかり、また味わえるはずなのである。
                       桑原武夫「文学入門」より。

小説に限らず、川柳や俳句や短歌でも同じことが言えるだろう。おとといの日曜日の句会のあとに、このようなことについて話し、そのあと行ったライブで歌詞についてのMCを聞きながらまた同じようなことを思った。そして、きょう、いかにもタイムリーに桑原武夫氏の文章を偶然に目にした。わりと、こういうつながり方は多いように思う。
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# by nezimakikukai | 2017-06-20 23:31 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

ちぇっ!

轢いた時ペットボトルがちぇっと鳴る    猫田千恵子

第140回雑詠の句である。ペットボトルは「ちぇっ」とは鳴らないだろうと思うのである。ベリ!とかバリボリ!とか、そんな感じじゃないだろうか。だがしかし、「ちぇっ」が圧倒的にいい。音のリアリティーなんかは抜きにしてというより、そんなものはどうでもよくて、「ちぇっ」でなければ面白くない。リアリティーはないけれども、すんなり受け入れられてしまうのも面白い。ペットボトルがアニメのキャラクター化して表情豊かな顔を持つ。もう「ちぇっ」以外には考えられない。「ちぇっ」と聞こえなかったのに、「ちぇっ」を聞き取ってしまった猫田さんは素晴らしい!・・・とわたしは思っている。
ところで、「ちぇっ」って実際にはなかなか言わない言葉(出さない音)じゃないのかなあ。ここに8回も「ちぇっ」があることもなかなか不思議である。
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# by nezimakikukai | 2017-06-13 23:08 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

5月の初参加。

5月の句会にも初参加がお二人。奈良県から岡谷樹さん、愛知県刈谷市から丹下純さん。樹さんと純さん、一文字ネームのお二人はともに女性である。例のごとく、初参加であろうがゲストだろうが、遠慮なく選んだ理由も選ばなかった理由も言っていただく〈ねじまき流〉で会に加わっていただいた。5月の句会は、いつもの会場がとれなかったので、名古屋市の南のはずれ、緑区の鳴海にある生涯学習センターが会場である。鳴海は、芭蕉もたびたび訪れて門人の下里知足(鳴海六俳仙の筆頭)らと連句を巻いた土地であり、東海道の宿場町としての歴史も古い場所なのだが、今回はご案内をする時間もなくて、奈良からしかも初参加の岡谷さんには何やら申し訳ない気持ちである。新しい人が加わると、風がすーっと流れるように、生き生きとしたものが流れ込むような感じがする。

封しても漏れ出す海の物語     岡谷樹
またしまういつか伝えるさようなら 丹下純
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# by nezimakikukai | 2017-06-06 22:12 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

第140回ねじまき句会

題詠「順」

1. 順番が違うわたしのしまいかた/米山明日歌
(11票:瀧村 丸山 中川 北原 三好 青砥 丹下 岡谷 一帆 大嶽 八上)

2.順番に呼ばれ扉に向かう足/丹下純
(3票:北原 猫田 青砥)

3.順番に食み出していく腹 腕 背/早川由香
(1票:丸山)

4.順番にまぼろしになる耳菜草/妹尾凛
(4票:魚澄 米山 安藤 岡谷)

5.そっと息吹きかけている順不同/一帆
(7票:瀧村 魚澄 中川 犬山 三好 岡谷 水野)

6.フクロウは鳴くよ幸せ順不同/岡谷 樹

7.モモ順に並び待ってるハイタッチ/丸山 進
(2票:犬山 一帆)

8.葉裏から順に世間を見る毛虫 /大嶽春水
(4票:北原 安藤 丹下 水野)

9.旅の字の青みがかった順に夏/猫田千恵子
(7票:なかはら 瀧村 魚澄 犬山 米山 早川 水野)

10.よく乾く順に語群を整理する/瀧村小奈生
(12票:なかはら 中川 猫田 安藤 米山 三好 早川 青砥 大嶽 一帆 妹尾 八上)

11.足の爪憎い順から切っていく/北原おさ虫
(8票:なかはら 中川 丸山 猫田 三好 丹下 岡谷 大嶽)

12.焼香の順に並んでそれっきり/魚澄秋来
(6票:なかはら 丸山 安藤 丹下 青砥 大嶽)

13.迷う順に並べる小石のキラキラ/青砥和子
(4票:瀧村 大嶽 一帆 八上)

14.順調に父は夜景になってゆく/なかはられいこ
(9票:北原 中川 早川 米山 岡谷 青砥 一帆 妹尾 八上)

15.順繰りに赤黄青と順応す/三好光明

16.こぶたたぬききつねねぎ順次中華鍋/中川喜代子
(9票:なかはら 瀧村 魚澄 猫田 犬山 早川 三好 丹下 妹尾)

17.背後にはコンドル乱れなき順当/安藤なみ 
(1票:水野)

18.稀勢の里順手逆手でけあがり中/犬山高木
(1票:早川)

19.水槽のむこう出口のない順路/八上桐子
(8票:魚澄 猫田 北原 米山 安藤 犬山 水野 妹尾)

20.順子です父はギターが上手かった/水野奈江子
(3票:丸山 妹尾 八上)

雑詠

1.梅雨寒や白玉団子遊ばせる/中川喜代子
(5票:なかはら 早川 岡谷 青砥 八上)

2.カシニョールって青だろ岬14時/犬山高木

3.竹皮を付けたまんまの高笑い/安藤なみ 
(9票:瀧村 中川 北原 犬山 早川 大嶽 水野 妹尾 八上)

4.きめなくてもいいひらひらとへらへら/三好光明
(7票:瀧村 猫田 早川 丹下 岡谷 大嶽 一帆)

5.寝返りの体重負けの武将隊/丸山 進

6.ぶかぶかの帽子の中の今日の耳/青砥和子
(7票:瀧村 魚澄 米山 三好 丹下 岡谷 八上)

7.封しても漏れ出す海の物語/岡谷樹  
(5票:米山 北原 大嶽 一帆 水野)

8.轢いた時ペットボトルがちぇっと鳴る/猫田千恵子
(11票:なかはら 瀧村 魚澄 北原 安藤 犬山 三好 丹下 青砥 妹尾 八上)

9.記録せずにはいられない花/早川由香
(2票:犬山 青砥)

10.ここ押せばひかる東芝ひかる枇杷/なかはられいこ 
(9票:瀧村 丸山 中川 魚澄 猫田 米山 犬山 妹尾 八上)

11.噴水のしあわせの位置さがしてる/米山明日歌
(3票:丸山 一帆 水野)

12.またしまういつか伝えるさようなら/丹下純
(5票:中川 魚澄 安藤 三好 大嶽)

13.夢男セサミのカウント伯爵似/魚澄秋来
(1票:なかはら)

14.その手がしなかったかもしれないこと/八上桐子
(10票:なかはら 丸山 猫田 米山 三好 犬山 岡谷 丹下 青砥 一帆)

15.楢山で繁盛してるカラオケ屋/北原おさ虫
(3票:中川 猫田 早川)

16.やさしいことばかけられて雲を飼う/妹尾凛
(2票:丸山 米山)

17.非常口付近で海を待っている/瀧村小奈生
(9票:なかはら 中川 魚澄 安藤 北原 大嶽 一帆 水野 妹尾)

18.球体の外側だけが増えてゆく/一帆
(8票:丸山 安藤 三好 岡谷 丹下 青砥 水野 妹尾)

19.ステージで今年の舞いをする毛虫/水野奈江子
(4票:北原 猫田 安藤 早川)

20.山勘でつくしの親子変化する/大嶽春水
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# by nezimakikukai | 2017-05-31 22:46 | 句会結果報告 | Comments(0)

憎い順。

足の爪憎い順から切っていく   北原おさ虫

「足の爪」だから「憎い順」が活きるのだろう。親指の爪はやたら固いし、それ以外の爪もかっこいいかたちをした爪がなかなかない。小指なんてかわいそうなくらい縮こまっている。「憎い順」は字義通りの憎さというよりは愛着も含んだ憎さのように思われる。「足の爪」と「憎い順」の組み合わせが票を集めた理由だろう。そして、たぶんこのおもしろさには、選んでいない人も反応しているはずである。では、なぜ?足の指の爪を切る順番はいつも決まっていて、しかも、親指→人差し指→中指→薬指→小指のように、順番というよりは順々なので、「憎い順」のように順が設定されることがぴんと来ないのだ。言葉の次元では楽しめても、現実的にはひっかかってしまうということだろうか。もちろん、選んだ側の人の中には、この決まりきった順々を「憎い順」とみたところを評価する人もいる。この句に限らないことだが、選んだ人もそうでない人もかなりのところまで共通に評価していて、自分の選の中に入れるか選からもれるかが、ほんのちょっとしたことで分かれることがある。
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# by nezimakikukai | 2017-05-30 22:54 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

「川柳 カモミール」

青森県八戸市のカモミール句会から「川柳 カモミール」が発行された。真っ白なカモミールの花の色をした1冊だ。つるつるの手触りはカモミールの清浄さだろうか。ほっと心を癒してくれるカモミールティー。カモミールには「逆境の中のエネルギー」という花言葉もあるらしい。発行人は笹田かなえさん。笹田かなえさんは、ねじまきとのご縁もひとかたならず深い方だ。同じくメンバーの守田啓子さんと一緒に、ねじまき句会にゲスト参加してくださったこともある。第1号は、各メンバーの句に「連衆」の谷口慎也さんと「おかじょうき川柳社」のSinさんの句評も添えられていて、とても興味深い。
かなえさん、カモミール句会のみなさん、「カモミール」創刊、おめでとうございます。真っ白な表紙を開いて、ゆっくり読ませていただきます。
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# by nezimakikukai | 2017-05-23 22:59 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(1)

事前投句と選句。

ねじまき句会では、題詠と雑詠を1週間前に投句し、題詠だけは無記名の句稿がメーリングリストに流れて各自が事前に選句しておくシステムが定着してきた。このやり方のよいところは、じっくり読める点である。わからないこと、不審な点は存分に調べたうえで考えることができる。なぜその句を選ぶのか、また選ばないのかということも自分なりに整理して考えたうえで句会に臨むことができるところがいい。自分自身の選句システムを自分で意識できると思うからである。また、雑詠に関しては、句会当日に初めて句と対面して選んでいくので、題詠の選句とは違う何かが働く点もおもしろい。5月の題詠の句稿が、今日流れてきた。全20句。来た!来た!来た!今月は5句選。日曜日の句会までじっくり楽しむことができる。
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# by nezimakikukai | 2017-05-16 23:20 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

ああついに生姜の匂いする頃に  樋口由紀子

1998年創刊の「MANO」が終刊を迎えた。由紀子さんは「MANO」編集発行人である。メンバーは加藤久子さん、小池正博さん、佐藤みさ子さん、樋口由紀子さん。加藤さんと佐藤さんには、去年、杜人の句会でお目にかかった。小池さんと樋口さんには、「川柳カード」でお世話になった。創刊メンバーは、石部明さん、倉本朝世さんと加藤さん、佐藤さん、樋口さんの5人。わたしがライブで知らない川柳の時代である。樋口さんは、樋口さんと言うより由紀子さんと呼んだほうがしっくりくる。あまりゆっくりお話しさせていただく機会もないのに、お目にかかるたびに久しぶりに従姉のおねえさんに会った気分になる方だ。わたしが一方的にそう思っているだけなのだけれど。
掲出句は、「MANO」第20号の〈姉の逆立ち〉20句の冒頭の句。「ああついに」という実際にはなかなか言いそうにない仰山な出だしが、「生姜の匂いする頃」につながるのが面白い。「生姜の匂い」は植物としての生姜なのか、食物としての生姜なのか。「頃」という表現は植物を思わせるが、わたしには食べ物としての生姜の匂いしか思い浮かばない。新生姜の甘酢漬けをつくるときに、茹で上がった生姜をざるにあげると、さーっといい匂いがたちのぼる。自分がまるごと、すーっと清浄になるような感じがする瞬間である。そんな頃を思い浮かべている。
本棚から、「セレクション柳人・樋口由紀子集」を取り出した。わたしが川柳を初めて間もないころに出された句集である。いま開くと、新たな由紀子さんとの出会いがあるような気がする。そんな予感がする。
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# by nezimakikukai | 2017-05-09 23:23 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)



川柳句会「ねじまき句会」の公式サイトです
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