月刊 ★ ねじまき 

5月の初参加。

5月の句会にも初参加がお二人。奈良県から岡谷樹さん、愛知県刈谷市から丹下純さん。樹さんと純さん、一文字ネームのお二人はともに女性である。例のごとく、初参加であろうがゲストだろうが、遠慮なく選んだ理由も選ばなかった理由も言っていただく〈ねじまき流〉で会に加わっていただいた。5月の句会は、いつもの会場がとれなかったので、名古屋市の南のはずれ、緑区の鳴海にある生涯学習センターが会場である。鳴海は、芭蕉もたびたび訪れて門人の下里知足(鳴海六俳仙の筆頭)らと連句を巻いた土地であり、東海道の宿場町としての歴史も古い場所なのだが、今回はご案内をする時間もなくて、奈良からしかも初参加の岡谷さんには何やら申し訳ない気持ちである。新しい人が加わると、風がすーっと流れるように、生き生きとしたものが流れ込むような感じがする。

封しても漏れ出す海の物語     岡谷樹
またしまういつか伝えるさようなら 丹下純
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-06-06 22:12 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

第140回ねじまき句会

題詠「順」

1. 順番が違うわたしのしまいかた/米山明日歌
(11票:瀧村 丸山 中川 北原 三好 青砥 丹下 岡谷 一帆 大嶽 八上)

2.順番に呼ばれ扉に向かう足/丹下純
(3票:北原 猫田 青砥)

3.順番に食み出していく腹 腕 背/早川由香
(1票:丸山)

4.順番にまぼろしになる耳菜草/妹尾凛
(4票:魚澄 米山 安藤 岡谷)

5.そっと息吹きかけている順不同/一帆
(7票:瀧村 魚澄 中川 犬山 三好 岡谷 水野)

6.フクロウは鳴くよ幸せ順不同/岡谷 樹

7.モモ順に並び待ってるハイタッチ/丸山 進
(2票:犬山 一帆)

8.葉裏から順に世間を見る毛虫 /大嶽春水
(4票:北原 安藤 丹下 水野)

9.旅の字の青みがかった順に夏/猫田千恵子
(7票:なかはら 瀧村 魚澄 犬山 米山 早川 水野)

10.よく乾く順に語群を整理する/瀧村小奈生
(12票:なかはら 中川 猫田 安藤 米山 三好 早川 青砥 大嶽 一帆 妹尾 八上)

11.足の爪憎い順から切っていく/北原おさ虫
(8票:なかはら 中川 丸山 猫田 三好 丹下 岡谷 大嶽)

12.焼香の順に並んでそれっきり/魚澄秋来
(6票:なかはら 丸山 安藤 丹下 青砥 大嶽)

13.迷う順に並べる小石のキラキラ/青砥和子
(4票:瀧村 大嶽 一帆 八上)

14.順調に父は夜景になってゆく/なかはられいこ
(9票:北原 中川 早川 米山 岡谷 青砥 一帆 妹尾 八上)

15.順繰りに赤黄青と順応す/三好光明

16.こぶたたぬききつねねぎ順次中華鍋/中川喜代子
(9票:なかはら 瀧村 魚澄 猫田 犬山 早川 三好 丹下 妹尾)

17.背後にはコンドル乱れなき順当/安藤なみ 
(1票:水野)

18.稀勢の里順手逆手でけあがり中/犬山高木
(1票:早川)

19.水槽のむこう出口のない順路/八上桐子
(8票:魚澄 猫田 北原 米山 安藤 犬山 水野 妹尾)

20.順子です父はギターが上手かった/水野奈江子
(3票:丸山 妹尾 八上)

雑詠

1.梅雨寒や白玉団子遊ばせる/中川喜代子
(5票:なかはら 早川 岡谷 青砥 八上)

2.カシニョールって青だろ岬14時/犬山高木

3.竹皮を付けたまんまの高笑い/安藤なみ 
(9票:瀧村 中川 北原 犬山 早川 大嶽 水野 妹尾 八上)

4.きめなくてもいいひらひらとへらへら/三好光明
(7票:瀧村 猫田 早川 丹下 岡谷 大嶽 一帆)

5.寝返りの体重負けの武将隊/丸山 進

6.ぶかぶかの帽子の中の今日の耳/青砥和子
(7票:瀧村 魚澄 米山 三好 丹下 岡谷 八上)

7.封しても漏れ出す海の物語/岡谷樹  
(5票:米山 北原 大嶽 一帆 水野)

8.轢いた時ペットボトルがちぇっと鳴る/猫田千恵子
(11票:なかはら 瀧村 魚澄 北原 安藤 犬山 三好 丹下 青砥 妹尾 八上)

9.記録せずにはいられない花/早川由香
(2票:犬山 青砥)

10.ここ押せばひかる東芝ひかる枇杷/なかはられいこ 
(9票:瀧村 丸山 中川 魚澄 猫田 米山 犬山 妹尾 八上)

11.噴水のしあわせの位置さがしてる/米山明日歌
(3票:丸山 一帆 水野)

12.またしまういつか伝えるさようなら/丹下純
(5票:中川 魚澄 安藤 三好 大嶽)

13.夢男セサミのカウント伯爵似/魚澄秋来
(1票:なかはら)

14.その手がしなかったかもしれないこと/八上桐子
(10票:なかはら 丸山 猫田 米山 三好 犬山 岡谷 丹下 青砥 一帆)

15.楢山で繁盛してるカラオケ屋/北原おさ虫
(3票:中川 猫田 早川)

16.やさしいことばかけられて雲を飼う/妹尾凛
(2票:丸山 米山)

17.非常口付近で海を待っている/瀧村小奈生
(9票:なかはら 中川 魚澄 安藤 北原 大嶽 一帆 水野 妹尾)

18.球体の外側だけが増えてゆく/一帆
(8票:丸山 安藤 三好 岡谷 丹下 青砥 水野 妹尾)

19.ステージで今年の舞いをする毛虫/水野奈江子
(4票:北原 猫田 安藤 早川)

20.山勘でつくしの親子変化する/大嶽春水
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-05-31 22:46 | 句会結果報告 | Comments(0)

憎い順。

足の爪憎い順から切っていく   北原おさ虫

「足の爪」だから「憎い順」が活きるのだろう。親指の爪はやたら固いし、それ以外の爪もかっこいいかたちをした爪がなかなかない。小指なんてかわいそうなくらい縮こまっている。「憎い順」は字義通りの憎さというよりは愛着も含んだ憎さのように思われる。「足の爪」と「憎い順」の組み合わせが票を集めた理由だろう。そして、たぶんこのおもしろさには、選んでいない人も反応しているはずである。では、なぜ?足の指の爪を切る順番はいつも決まっていて、しかも、親指→人差し指→中指→薬指→小指のように、順番というよりは順々なので、「憎い順」のように順が設定されることがぴんと来ないのだ。言葉の次元では楽しめても、現実的にはひっかかってしまうということだろうか。もちろん、選んだ側の人の中には、この決まりきった順々を「憎い順」とみたところを評価する人もいる。この句に限らないことだが、選んだ人もそうでない人もかなりのところまで共通に評価していて、自分の選の中に入れるか選からもれるかが、ほんのちょっとしたことで分かれることがある。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-05-30 22:54 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

「川柳 カモミール」

青森県八戸市のカモミール句会から「川柳 カモミール」が発行された。真っ白なカモミールの花の色をした1冊だ。つるつるの手触りはカモミールの清浄さだろうか。ほっと心を癒してくれるカモミールティー。カモミールには「逆境の中のエネルギー」という花言葉もあるらしい。発行人は笹田かなえさん。笹田かなえさんは、ねじまきとのご縁もひとかたならず深い方だ。同じくメンバーの守田啓子さんと一緒に、ねじまき句会にゲスト参加してくださったこともある。第1号は、各メンバーの句に「連衆」の谷口慎也さんと「おかじょうき川柳社」のSinさんの句評も添えられていて、とても興味深い。
かなえさん、カモミール句会のみなさん、「カモミール」創刊、おめでとうございます。真っ白な表紙を開いて、ゆっくり読ませていただきます。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-05-23 22:59 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(1)

事前投句と選句。

ねじまき句会では、題詠と雑詠を1週間前に投句し、題詠だけは無記名の句稿がメーリングリストに流れて各自が事前に選句しておくシステムが定着してきた。このやり方のよいところは、じっくり読める点である。わからないこと、不審な点は存分に調べたうえで考えることができる。なぜその句を選ぶのか、また選ばないのかということも自分なりに整理して考えたうえで句会に臨むことができるところがいい。自分自身の選句システムを自分で意識できると思うからである。また、雑詠に関しては、句会当日に初めて句と対面して選んでいくので、題詠の選句とは違う何かが働く点もおもしろい。5月の題詠の句稿が、今日流れてきた。全20句。来た!来た!来た!今月は5句選。日曜日の句会までじっくり楽しむことができる。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-05-16 23:20 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

ああついに生姜の匂いする頃に  樋口由紀子

1998年創刊の「MANO」が終刊を迎えた。由紀子さんは「MANO」編集発行人である。メンバーは加藤久子さん、小池正博さん、佐藤みさ子さん、樋口由紀子さん。加藤さんと佐藤さんには、去年、杜人の句会でお目にかかった。小池さんと樋口さんには、「川柳カード」でお世話になった。創刊メンバーは、石部明さん、倉本朝世さんと加藤さん、佐藤さん、樋口さんの5人。わたしがライブで知らない川柳の時代である。樋口さんは、樋口さんと言うより由紀子さんと呼んだほうがしっくりくる。あまりゆっくりお話しさせていただく機会もないのに、お目にかかるたびに久しぶりに従姉のおねえさんに会った気分になる方だ。わたしが一方的にそう思っているだけなのだけれど。
掲出句は、「MANO」第20号の〈姉の逆立ち〉20句の冒頭の句。「ああついに」という実際にはなかなか言いそうにない仰山な出だしが、「生姜の匂いする頃」につながるのが面白い。「生姜の匂い」は植物としての生姜なのか、食物としての生姜なのか。「頃」という表現は植物を思わせるが、わたしには食べ物としての生姜の匂いしか思い浮かばない。新生姜の甘酢漬けをつくるときに、茹で上がった生姜をざるにあげると、さーっといい匂いがたちのぼる。自分がまるごと、すーっと清浄になるような感じがする瞬間である。そんな頃を思い浮かべている。
本棚から、「セレクション柳人・樋口由紀子集」を取り出した。わたしが川柳を初めて間もないころに出された句集である。いま開くと、新たな由紀子さんとの出会いがあるような気がする。そんな予感がする。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-05-09 23:23 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

?(クエスチョンマーク)のこと。

握手する?手袋外したミッキーと    魚澄秋来

句会で論議の対象になったのがこのクエスチョンマークである。選んだ人の第一声が「このクエスチョンマークはいらないのですが・・・」である。待っていましたとばかり、選ばなかった人から「そうでしょ、だから選ばなかったんだから。」と攻め立てられる。「いや、だから、クエスチョンマークはないものと思って読んで・・・。」「それは、だめでしょ!」「でも、手袋を外したらどうなってるのか、メチャこわくないですか?何が出てくるかと思うと、こわいですよ。」「わかりますよ、わたしだってクエスチョンマークがなかったら選んでましたから。」「でしょ?」「でも、クエスチョンマークはあるんだから、そこに目をつぶるのはナシですよ。」・・・という具合。
ともあれ、ねじまき句会においては、「?」がないほうがよいということで意見の一致をみたのである。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-05-02 22:54 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

題詠「頂」より。

頂に押されて少し凹む空     早川由香

誰もがすぐにその情景を思い描くことができる。その情景を「頂に押されて」「凹む」と感じ、そう言葉で表現した瞬間に川柳になる。押す頂にも凹む空にもやさしさが感じられるのが心地よい。

丹頂の赤はサークルKの赤    なかはられいこ

丹頂鶴の頭のてっぺんの丸い赤。それとサークルKのKとそれを囲む丸の赤。よくぞ発見されました!だからどうってことは何もないのだが、こんなこと言われてへーって思うと、何だか古い角質のたまった心のピーリングができそう。

4月のねじまき句会は尾張旭の水野奈江子さんと秋田の一帆さんが参加してくださった。

頂上の手前がいつも混んでいる  水野奈江子

見逃してあげるさくらの有頂天  一帆

ねじまきスタイルは、選んだ理由も選ばなかった理由を述べることなので、お二人にもどんどん意見をうかがった。私たちは楽しく活気のある時間を過ごさせていただいたが、お二人にも楽しんでいただけただろうか。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-04-25 23:10 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

第139回ねじまき句会

題詠「頂」

1. どん底と言う頂きに這い上がる/北原おさ虫
(3票:丸山 一帆 大嶽)

2. 頂に押されて少し凹む空/早川由香
(10票:なかはら 八上 瀧村 北原 中川 猫田 犬山 一帆 青砥 大嶽)

3. 頂へ向かって咲いてゆく無限/猫田千恵子
(2票:三好 早川)

4. 前衛を頂きました草間の南瓜/犬山高木
(4票:中川 早川 一帆 青砥)

5. 星を頂き珊瑚の紅とサハリンへ/安藤なみ

6. 頂点の無いものばかり追いかけて/三好光明
(3票:丸山 水野 魚澄)

7. 座布団の頂点さがす乙女たち/丸山進
(7票:なかはら 瀧村 犬山 魚澄 大嶽 妹尾 米山)

8. 臥薪嘗胆 選手頂点に立つ/大嶽春水

9. 山頂に立ちアポロンを呼びつける/青砥和子
(6票:丸山 猫田 水野 安藤 魚澄 妹尾)

10.山頂と雲は仲良し嫉妬する/魚澄秋来
(2票:丸山 三好)

11.頂上の手前がいつも混んでいる/水野奈江子
(10票:八上 瀧村 北原 中川 三好 猫田 犬山 魚澄 妹尾 米山)

12.頂上で空だけ誉めて降りて来る/中川喜代子
(6票:なかはら 八上 北原 安藤 水野 魚澄)

13.見逃してあげるさくらの有頂天/一帆
(14票:八上 瀧村 中川 早川 北原 三好 猫田 犬山 安藤 水野 青砥 大嶽 妹尾 米山)

14.きょうも天頂のどかな春の河馬/妹尾凛
(2票:安藤 一帆)

15.そこここに春の黄色は有頂天/瀧村小奈生
(5票:なかはら 早川 水野 妹尾 米山)

16.在りし日の動画凍頂烏龍茶/八上桐子
(4票:なかはら 早川 青砥 大嶽)

17.丹頂の赤はサークルKの赤/なかはられいこ
(12票:丸山 八上 瀧村 北原 中川 三好 猫田 犬山 安藤 一帆 青砥 米山)


雑詠

1. いちめんのなのはな悲しいと言えよ/瀧村小奈生
(13票:丸山 八上 北原 中川 早川 三好 猫田 犬山 安藤 一帆 青砥 魚澄 大嶽)

2. 痛そうにさくらの前に立っている/八上桐子
(5票:瀧村 早川 安藤 魚澄 米山)

3. 三月をおあげに詰めて炊き上げる/中川喜代子
(11票:なかはら 八上 瀧村 早川 北原 三好 猫田 一帆 青砥 大嶽 妹尾)

4. チャーハンと黄色い窓は同じ人/安藤なみ
(5票:なかはら 丸山 青砥 妹尾 米山) 

5. 挨拶もそこそこにさざなみ起こす/丸山進
(6票:なかはら 八上 北原 犬山 早川 水野 )

6. 木連とドドンパしてる安倍昭恵/犬山高木
(3票:丸山 中川 妹尾)

7. 握手する?手袋外したミッキーと/魚澄秋来
(2票:瀧村 水野)

8. もう春ねにょろにょろなんか摘んできて/妹尾凛
(10票:八上 中川 三好 猫田 早川 安藤 一帆 水野 魚澄 米山)

9. 石亀の背にも太陽光パネル/猫田千恵子
(9票:なかはら 丸山 瀧村 中川 北原 安藤 青砥 大嶽 妹尾)

10.父の目の奥のとどめの花吹雪/なかはられいこ
(7票:八上 犬山 安藤 水野 青砥 大嶽 米山)

11.泣き顔は修正しない悔しい日/水野奈江子
(5票:北原 三好 一帆 魚澄 米山)

12.骨肉を砕いて満開に乱れる/青砥和子
(2票:三好 犬山)

13.いま一度ガラスの靴を置いてみる/一帆
(2票:猫田 水野)

14.どしゃ降りでホッと一息第五章/三好光明
(3票:魚澄 大嶽 妹尾)

15.さくらさくら急行で咲く栄ゆき/早川由香
(4票:なかはら 瀧村 犬山 猫田)

16.能面のように寝ている箱の中/北原 おさ虫
(1票:中川)

17.菜の花とボンドで継ぎし備前焼/大嶽春水
(2票:丸山 一帆)
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-04-24 14:07 | 句会結果報告 | Comments(0)

練習帖なるもの。

好奇心から「俳句川柳短歌の練習帖」(土屋書店)という本を開いてみた。「上級テクニック」がマスターできるらしい。「うまくなるポイント」が書いてあるらしい。そして「これ一冊解けば作品力がつく!」という問題が載っているようだ。本当は俳句や短歌についても読んで比べてみたかったのだが、ひとまず川柳の部分を拾ってみた。「どれが本当の川柳?」というセンセーショナルなタイトル。「本当の」って何なんだろう。駄洒落や語呂合わせはだめだということはわかるのだが、「川柳的含み」が感じられるかどうかで本当の川柳か否かを判断するというのはよくわからない。そもそも「川柳的」って何なのだ。それこそ、何を「川柳的」とするかがさまざまなのではないのか。「言葉のセンスアップ」のページものぞいてみる。陳腐な説明は避けるとか慣用表現は使わないとかの、やってはだめですよのアドバイスは確かにそのとおりだと思う。こういうのがいいですよ、という説明は難しいのかなかなかしっくりこない。ふうん、これが練習帖なるものなのだな。書店でこの本を手に取る人がいて、ちょっと書いてみたくなって、川柳を始めるきっかけになったら幸いである。句会に出会い、人と出会い、いろんな作品を読んで、そこから先はきっと自分で考えて、行き詰って、また考えて書いていくしかないのかなあと思った次第である。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-04-18 23:26 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

清潔な終焉を聴く貝の耳   小池正博

私はこの句から聞こえてくる静寂が好きである。終焉は清潔で、それを聴くのは耳、そして耳は貝。どこまでも静かな世界だ。肯定も否定もない世界の耳。

「川柳カード」が3月発行の第14号をもって終刊した。冒頭の句は、その14号の小池正博さんの10句『動物図鑑』の最後に置かれている。そうなると意味深長な気もするのだが、それ以上にわたしには堀口大学の訳詩を思い出させる。

わたしの耳は貝の殻  海の響きを懐かしむ
    (ジャン・コクトー  堀口大学訳)

郷愁を感じさせる響きはそのせいだったかもしれない。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-04-11 23:25 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

鉄塔は鉄の頃からさびしがり   なかはられいこ

3月の題詠「頃」の最高点句。鉄塔に鉄の頃があったのはあたりまえのことだが、そのことに思いを馳せる人はどれほどいるのだろう。わたしがこの句に惹かれるのはまさにその点である。もちろん、さびしがりだと心を寄せることにも共感するのだが、それもこれも鉄の頃があったことに気づいてこそだと思う。川柳を書くということは、対象に対する曇らない眼をもつこと、偏見のない柔軟な視線でまっすぐに見つめることなのではないかと改めて考えさせられた一句である。おぼろげな記憶なので間違いがあるかもしれないが、東京タワーは朝鮮戦争の戦場から帰ってきた戦車や武器を溶かした鉄でつくられたと何かで読んだように思う。あの赤い鉄の塔が生まれたときから悲しい記憶をもっていたという話である。だとすれば、さびしがりなのももっともなことだ。最近、スカイツリーを隅田川の向こうに見る機会があった。川面を見ていてたまたま顔を上げたらライトアップされた美しい塔があって、「ん?スカイツリー?」と気づいたのだが、あっけらかんとして割に感動が少なかった。さびしがりだった頃のない素材で構築されているせいだろうか。
[PR]
# by nezimakikukai | 2017-04-05 01:38 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)



川柳句会「ねじまき句会」の公式サイトです
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
フォロー中のブログ
外部リンク
最新のコメント
ふたたび川添さま ..
by nezimakikukai at 22:26
川添さま ありがとうご..
by nezimakikukai at 22:49
「カモミール」のご紹介、..
by 笹田かなえ at 20:51
こうださま、山本さま ..
by nezimakikukai at 16:19
『川柳ねじまき』、愛読し..
by 山本洵一 at 04:51
川柳凜のこうだひでおと申..
by こうだひでお at 19:41
ねじまき#3を5部購入し..
by 岡本 聡 at 21:29
ねじまき#3を2冊購入し..
by 善江 at 07:13
高知に住んでいます。小野..
by 善江 at 08:24
 さきほど、ねじまき#3..
by らき at 14:23
岩渕さま、いわさきさま、..
by nezimakikukai at 23:19
 おいしいもの、たのしい..
by らき at 11:25
らきさま ありがとうご..
by nezimakikukai at 22:48
 こんにちは。ああ、ねじ..
by らき at 17:50
取り上げていただきありが..
by 明日歌 at 06:05
最新のトラックバック
検索
メモ帳
ライフログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧