月刊 ★ ねじまき 

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第141回ねじまき句会

題詠「頬」

1.うつくしい頬からハブ茶プーアール/瀧村小奈生
(5票:なかはら 安藤 水野 岡谷 青砥)
2.恋かしら頬があなたに投げキッス/北原おさ虫

3.初夏のアリスの頬をくださいな/魚澄秋来
(10票:丸山 瀧村 中川 犬山 岡谷 猫田 一帆 三好 八上 米山)
4.更地濡れゆくデーモン閣下の頬/八上桐子
(7票:なかはら 瀧村 妹尾 犬山 青砥 一帆 米山)
5.ほらほら落ちてるよ頬がそちこちに/妹尾凛 
(4票:中川 岡谷 猫田 大嶽)
6.目から頬へ連絡船を乗り換える/ 岡谷 樹
(8票:妹尾 北原 安藤 水野 丹下 青砥 大嶽 三好)
7.素っぴんの少女の頬に残る六月/青砥和子
(9票:丸山 魚澄 中川 早川 水野 丹下 猫田 一帆 八上)
8.頬白きペコちゃんといくエジプト展/犬山高木
(5票:丸山 魚澄 妹尾 猫田 八上)
9.頬の横コケかウブ毛か剃り残し/早川由香

10.あけがたの頬に触れる手、ゆび、どなた/なかはられいこ
(3票:魚澄 安藤 丹下)
11.それ以上進めなくする頬のキス/水野奈江子
(4票:早川 丹下 大嶽 三好)
12.うっとりと頬をゆるめるお焼香/三好光明
(4票:丸山 北原 八上 米山)
13.満月に頬の範囲はマキシマム/丸山 進
(8票:なかはら 瀧村 妹尾 早川 水野 三好 一帆 米山)
14.頬杖をつくと少女にもどる母/大嶽春水
(8票:なかはら 瀧村 魚澄 北原 犬山 早川 丹下 青砥)
15.頬杖をついて数える脛の傷/一帆
(3票:北原 安藤 中川)
16.頬杖が卑弥呼のお家尋ねてる/中川喜代子
(2票:丸山 水野)
17.頬骨のカーブが同じ顔二つ/猫田千恵子
(10票:なかはら 瀧村 魚澄 妹尾 北原 早川 犬山 岡谷 青砥 大嶽)
18.言い訳は頬っぺに詰めて飲みこんだ/丹下純
(2票:中川 大嶽)
19.缶詰のみかん頬張る蚊帳の中/安藤なみ 
(3票:岡谷 八上 米山)
20.これからの緑ばかりの頬袋/米山明日歌
(5票:安藤 犬山 猫田 一帆 三好)

雑詠

1.雨乞いの祝詞忘れた小紫陽花/中川喜代子
(2票:大嶽 三好)
2.サンクトペテルブルク的梅雨晴れ間/犬山高木
(9票:なかはら 丸山 瀧村 妹尾 中川 岡谷 猫田 三好 八上)
3.水無月の開襟シャツの躍り食い/丸山 進
(2票:瀧村 米山)
4.青色さ無駄があろうとなかろうと/三好光明
(6票:魚澄 北原 中川 丹下 大嶽 米山)
5.戻れない紫陽花寺の倦怠期/水野奈江子
(2票:猫田 一帆)
6.赤だったところもうすぐ痒くなる/早川由香
(1票:なかはら)
7.狐火は霧の扉を振りかえり/安藤なみ 
(3票:中川 水野 丹下)
8.くしゃみから雨と梔子は生まれ/なかはられいこ
(7票:丸山 瀧村 妹尾 岡谷 青砥 猫田 八上)
9.亀は万年密やかな霧雨と/青砥和子
(4票:妹尾 犬山 丹下 猫田)
10.翼からいくか 尻尾からにするか/岡谷 樹
(8票:北原 安藤 中川 早川 水野 青砥 一帆 三好)
11.つくりものめいた蝸牛行き交う/妹尾凛
(5票:魚澄 安藤 水野 青砥 大嶽)
12.伏線を持ち上げ足をひっかける/猫田千恵子
(6票:瀧村 安藤 早川 犬山 岡谷 八上)
13.靴眠るあるじの足の形して/丹下純
(9票:なかはら 瀧村 丸山 魚澄 北原 犬山 水野 一帆 大嶽)
14.十三夜少女のままの深い谷/魚澄秋来
(3票:中川 一帆 米山)
15.アンドロイドもアンドロメダも4畳半/北原おさ虫
(9票:なかはら 丸山 魚澄 妹尾 岡谷 猫田 一帆 三好 八上)
16.何もかも何よりまずはママレモン/瀧村小奈生
(3票:妹尾 早川 水野)
17.やや危険思想気味なるこしあん派/八上桐子
(8票:丸山 北原 安藤 早川 犬山 丹下 青砥 米山)
18.太陽が昇るからまた囚われる/ 一帆
(4票:丹下 岡谷 大嶽 米山)
19.洗われたティシュのような忘れ方/米山明日歌
(9票:なかはら 魚澄 北原 安藤 早川 犬山 青砥 三好 八上)
20.うぐいすは小さな声で自己主張/大嶽春水
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by nezimakikukai | 2017-06-28 17:02 | 句会結果報告 | Comments(0)

靴眠るあるじの足の形して    丹下純

どうということのない日常が気負いなく切り取られている。靴は玄関に脱がれたままの形で置かれている。人は寝静まった頃だろう。そこには書かれていない薄暗い闇と薄明るい光まで感じられる。「あるじ」という言葉が靴の持ち主の不在を鮮やかに意識させる。句会での読みでは、「あるじ」は亡くなった方だという読みと、そうではないという読みとがあったが、それはどちらとも考えられるし、読者に委ねてよいと思う。「眠る」という言葉が死を連想させるのだと思われるが、必ずしも死者に限る必要もないだろう。玄関で眠る靴には確かに「あるじ」がいた。そこには「あるじの足の形」が明らかに存在する。しかし、「あるじ」は不在である。その不在または喪失の感覚がこの句の中心ではないだろうか。読んだときに、ネムルのルからアルジのル、アルジのアからアシのアへとつながる音とリズムが心地よい。わかりやすい言葉で場面をわかりやすく描きながら、奥行きがあり、受け取ることのできる情報量の多い句である。
丹下純さんは、5月からねじまき句会に参加したニューフェースである。とは言っても、朝日新聞の東海柳壇の常連でもあり、お名前をご存知の方も多いにちがいない。純さんの参加でねじまきはいっそうパワーアップしている。
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by nezimakikukai | 2017-06-27 23:12 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

桑原武夫さんです。

文学作品は、それ自体として独立した客観的な一つ一つの「もの」である。近代リアリズムに立つ小説は、とくにそうである。だから、その作品を作者がいかなる状況で、いかにして書いたか、またその苦心などを知ることは、もちろん悪いことではないが、それらは作品享受のために不可欠な前提条件ではない。つまり、すぐれた作品は、そういうことを何も知らずに、直接ぶつかってわかり、また味わえるはずなのである。
                       桑原武夫「文学入門」より。

小説に限らず、川柳や俳句や短歌でも同じことが言えるだろう。おとといの日曜日の句会のあとに、このようなことについて話し、そのあと行ったライブで歌詞についてのMCを聞きながらまた同じようなことを思った。そして、きょう、いかにもタイムリーに桑原武夫氏の文章を偶然に目にした。わりと、こういうつながり方は多いように思う。
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by nezimakikukai | 2017-06-20 23:31 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

ちぇっ!

轢いた時ペットボトルがちぇっと鳴る    猫田千恵子

第140回雑詠の句である。ペットボトルは「ちぇっ」とは鳴らないだろうと思うのである。ベリ!とかバリボリ!とか、そんな感じじゃないだろうか。だがしかし、「ちぇっ」が圧倒的にいい。音のリアリティーなんかは抜きにしてというより、そんなものはどうでもよくて、「ちぇっ」でなければ面白くない。リアリティーはないけれども、すんなり受け入れられてしまうのも面白い。ペットボトルがアニメのキャラクター化して表情豊かな顔を持つ。もう「ちぇっ」以外には考えられない。「ちぇっ」と聞こえなかったのに、「ちぇっ」を聞き取ってしまった猫田さんは素晴らしい!・・・とわたしは思っている。
ところで、「ちぇっ」って実際にはなかなか言わない言葉(出さない音)じゃないのかなあ。ここに8回も「ちぇっ」があることもなかなか不思議である。
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by nezimakikukai | 2017-06-13 23:08 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

5月の初参加。

5月の句会にも初参加がお二人。奈良県から岡谷樹さん、愛知県刈谷市から丹下純さん。樹さんと純さん、一文字ネームのお二人はともに女性である。例のごとく、初参加であろうがゲストだろうが、遠慮なく選んだ理由も選ばなかった理由も言っていただく〈ねじまき流〉で会に加わっていただいた。5月の句会は、いつもの会場がとれなかったので、名古屋市の南のはずれ、緑区の鳴海にある生涯学習センターが会場である。鳴海は、芭蕉もたびたび訪れて門人の下里知足(鳴海六俳仙の筆頭)らと連句を巻いた土地であり、東海道の宿場町としての歴史も古い場所なのだが、今回はご案内をする時間もなくて、奈良からしかも初参加の岡谷さんには何やら申し訳ない気持ちである。新しい人が加わると、風がすーっと流れるように、生き生きとしたものが流れ込むような感じがする。

封しても漏れ出す海の物語     岡谷樹
またしまういつか伝えるさようなら 丹下純
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by nezimakikukai | 2017-06-06 22:12 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)



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