月刊 ★ ねじまき 

カテゴリ:火曜日にはねじをまく。( 153 )

バナナですから。

積極的に付録をめざすバナナ   二村鉄子
   (第132回ねじまき句会 雑詠より。)

おもしろさは「積極的に付録をめざす」のが「バナナ」であるところだろう。付録ってめざすものじゃないし・・・という突っ込みどころには少々安定感がありすぎるきらいもあるが、それが積極的だというのにはダメ押しの妙がある。さて、積極的に付録をめざすのはというと・・・。そこで悠々と「バナナ」の登場である。大昔は高級だったバナナ。いつかありふれてしまったバナナ。ジュースにはよく使われているが、そのまま食べる頻度は少なくなった。青いのは青い味がする。完熟はとびきり甘い。すぐに黒ずんで見かけが悪くなってしまう。バナナ、バナナ、この不可思議な存在。バナナと付録。付録とバナナ。感触がとてもおもしろい。
そういえば、このあいだ神宮に行ったときに「バナナ屋さんの前を通ったら・・・」と話しているのを聞いた。ひょっとしてと思い当たる建物がある。倉庫風の建物の前に台があってバナナが載っていた。気になって尋ねてみると本当にバナナ屋さんらしい。地下に室があるのだとか。なんだかすごいなあ。「バナナ」はなかなか力のある言葉だ。
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by nezimakikukai | 2016-08-02 22:58 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

題詠「客」

柿の木から落ちた客室乗務員   丸山進

まだ青い隣の客を柿が食う    瀧村小奈生

どちらの句も「隣の客はよく柿食う客だ」を下敷きにしている。前者は、「客室乗務員」が核になっていて、早口言葉への連想から「柿」の木から落ちる事態となる。後者は、早口言葉の中の「客」と「柿」が入れ替わることで、ホラーめいた世界が現れる。手法は全然違うが、誰もが知っている早口言葉に支えられている点で共通している。特に後者の場合は、「柿」と「客」の入れ替えだけである点をよしとしない判断もあってしかるべきであり、この句を選ぶかどうかは、その点を承知の上でおもしろいと思えるかどうかにかかっている。

さて、最近ではそれを口にすることに虚しさと気恥ずかしさを覚えるせいか誰も言わなくなったのだが、こういう句が出てくるということは、「客」という題の難しさのあらわれではないだろうか。ホント、苦労しました!
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by nezimakikukai | 2016-07-26 18:26 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

題詠「室」より。

側室もないが自分の部屋もない  北原おさ虫

久々にオジサンのトホホ度満点の句に出会って爽快だった。側室っていわゆる愛人ですか?愛人よりちょっと格調高いのかなあ。いずれにせよ、そんなのそこいらのオジサンにはまあまあ無縁ですよね。そんな気力も甲斐性もないのが一般的にちがいない。住まいだって、そうそう豪邸に住めるはずもなく、側室をおくような部屋がないどころか自分の部屋もないという。たいしたことは何も言っていないのだが、軽妙で嫌みのない面白さがある。「側室もない」と言われると、一瞬「客室」「和室」のような部屋の種類に聞こえるのもいい。
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by nezimakikukai | 2016-07-19 23:20 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

少女について。

第131回ねじまき句会の雑詠の句。

ガチャガチャを回すと転がり出る少女  猫田千恵子

まさに「少女」である。こういうときに「少年」は出てこない。少女だって「ガチャガチャ」から出てくるはずはないのだが、出てきておかしくない気がするのだ。透明のプラスチックに入った少女。危うさや不完全さをもつ少女のイメージがすんなりと伝わってくる。ガチャガチャを回すときの期待感と諦めの入り混じった不思議な感覚も少女にふさわしい。粗雑なのに繊細で、安っぽさもあるのに抜群に輝いている。相反するものを内包して少女はそこにいる。東直子さんの短歌にも、しばしば少女が現れる。

真夜中にきらきら座る少女たち箱詰めされる球体として  東直子
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by nezimakikukai | 2016-07-12 22:51 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

「川柳 フェニックス」

フェニックス川柳会は瀬戸市を拠点とする川柳のグループである。ねじまき句会の丸山進さんが瀬戸市の「学びキャンパス」で開いている講座のメンバーから生まれた川柳の会だ。みなさん向上心旺盛で積極的、そして何より川柳が大好きで、川柳のある暮らしを楽しんでいらっしゃるのが伝わってくる。フェニックス川柳会の安藤なみさん、北原おさ虫さん、三好光明さん、そしてもちろん丸山進さんはねじまき句会のメンバーでもある。瀬戸は川柳がホットな土地なのだ。瀬戸焼そばより川柳がホット!・・・だと思う。「川柳フェニックス」第6号からお気に入りをピックアップさせていただく。瀧村小奈生の3句選。

焚火から古代の顔が現れる      安藤なみ

*火をじっと見ているとこんなものも見えそう。「火」と「古代の顔」って何だか説得力があるのだが、ほんとは古代の顔じゃなくて知り合いの誰かに似た顔なのかも。

ユーミンと息を合わせたみじん切り  稲垣康江
 
*みじん切りにふさわしいのは「恋人がサンタクロース」かなあ。「ベルベットイースター」じゃ不揃いになってしまいそうだしスピードも出ない。「リフレインが叫んでる」もいけそう。・・・みじん切り、楽しい!

長い目で見るとお役に立てている   三好光明

*「お役に立てている」ってなかなか言えないんじゃないだろうか。「立っている」じゃなくて「立てている」というところに自負と謙遜の両方がうかがえる。でも、まず長い目で見てもらわないと。
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by nezimakikukai | 2016-07-05 23:20 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(2)

川柳社杜人創刊250号

 「川柳杜人」250号が届いた。巻頭の山河舞句さんの〈ごあいさつ〉を拝見して、その歴史を初めて知った。川柳の歴史を語るのに欠かすことのできない人々が関わった雑誌であることを知ると、心なしか手にした雑誌が重く感じられる。昭和22年から現在まで、脈々と受け継がれてきた歴史である。すごいことだなあとしみじみ思う。
 記念誌上句会では、ねじまき句会の八上桐子さんが「朝」の選者を務めた。また、ねじまきメンバーもたくさん参加させていただいた。250号の幸せをおすそ分けしていただいたようで、ありがたいことである。「川柳ねじまき」は、ただいま第3号をめざしているところ。ひよっこ以下どころか卵とも呼べない。数を思うと気が遠くなるので、目の前のひとつひとつのことにできるかぎりの力を尽くしたい。

*250号記念誌上句会より。

「朝」

文字がほどける雨の朝のぬけがら     妹尾凛
来る前に汚れてしまっていた朝      八上桐子
喃語からやわらかな朝溢れだす      青砥和子
輪郭をなくした朝を渡される       米山明日歌
重そうな袋に包囲される朝        三好光明
臨時ニュース「朝が故障で明けません」  丸山進
朝を待つ象の鎖骨にふれながら      瀧村小奈生

*「着」

終着駅出てみな違う歩きよう       青砥和子
古の名前のひとつ流れ着く        猫田千恵子
極楽に着地したのかそれっきり      中川喜代子
順番をまちがえないで光着る       妹尾凛
たどり着かないようにあなたを迂回する  瀧村小奈生
葉脈のような光を着て春は        妹尾凛
着メロは天突くヨイトマケの唄      丸山進
痒そうに終着駅が立っている       瀧村小奈生
目の中で妹が着けたくちびる       八上桐子

杜人のみなさま、創刊250号おめでとうございます。
心よりお祝い申し上げます。
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by nezimakikukai | 2016-06-27 16:57 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

番外編へようこそ。

番外編に参加してくださった斉尾くにこさん、月波与生さん、笹田かなえさん、早川由香さん、どうもありがとうございます。突然の呼びかけにもかかわらず、気軽に応えてくださって本当にうれしく思います。まだ11時15分。締め切りまで45分あるので、今からまだまだ届くかもしれませんね。ひゃー、わくわく。番外編については、句会結果報告のページに掲載させていただきます。びっくりするくらいたくさんの「実」がとれたらいいのになあ。
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by nezimakikukai | 2016-06-21 23:18 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

まきそびれたねじなんですが・・・。

2016年のねじまき句会の題は「うかんむり」の漢字シリーズ。5月は「実」だったのですが、吟行会になったため実行されませんでした。せっかくの「実」だったのに、残念っていうか申し訳ない(「実」さんに)っていうか、そんな気持ちになります。で、ほんの思いつきなのですが、「ねじまき番外編」として、みんなで作ってみませんか。コメント欄に1人限定1句、必ずお名前を添えて投句してください。番外編なので、このサイトをご覧くださった方はどなたでも投句していただけます。締め切りは6月21日(火)24時です。集まった作品は句会結果のコーナーに投句順に全作品を掲出します。たくさんのみなさんにお会いできるとうれしいです。
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by nezimakikukai | 2016-06-14 23:31 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(15)

「ことばの国の猫たち」

あざみエージェントから木本朱夏さん監修の猫川柳アンソロ―ジーが刊行されている。猫たちもことばも、いとおしく慈しみたい本である。「うぼる」と鳴く柳本々々さんちの猫のとまとさんもモデルとして登場している。とまとさんは極上にかわいいし、とまとさんに寄せる々々さんのことばも愛に満ちている。

この国でわたしはおもに猫だから
        あなたの膝にとても詳しい  柳本々々

ねじまき句会のメンバーの猫川柳も。

チェシャ猫に呼び戻される脱衣場   なかはられいこ
告白の練習用に猫借りる       丸山進
国境も仔猫も軽く踏んじゃって    瀧村小奈生

いろんな猫たちがいて、さまざまな猫川柳が並ぶ。どのページを開いても幸せな気持ちになれる1冊である。
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by nezimakikukai | 2016-06-07 23:08 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

500超!

国民文化祭、連句の祭典の歌仙の募集が5月10に締め切られた。全国からの応募作品は500巻を超えた。ねじまき有志で巻いた歌仙も、そのうちの1巻である。審査員の皆さんへの発送も終わり、いま厳正に審査中である。それにしても、500巻以上の作品をすべて吟味して評価していくのは大変なことだと思う。審査員の皆さんのご苦労は並大抵ではない。いや、想像するのさえ恐ろしいくらいだ。もちろん入選作品集はつくられるが、今回はすべての応募作品が熱田神宮に奉納される予定だ。100年くらいたったら、公開されて過去の文化の研究資料になる・・・という話もある。ちょっと壮大である。
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by nezimakikukai | 2016-05-31 22:39 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)



川柳句会「ねじまき句会」の公式サイトです
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