月刊 ★ ねじまき 

カテゴリ:火曜日にはねじをまく。( 149 )

題詠「頂」より。

頂に押されて少し凹む空     早川由香

誰もがすぐにその情景を思い描くことができる。その情景を「頂に押されて」「凹む」と感じ、そう言葉で表現した瞬間に川柳になる。押す頂にも凹む空にもやさしさが感じられるのが心地よい。

丹頂の赤はサークルKの赤    なかはられいこ

丹頂鶴の頭のてっぺんの丸い赤。それとサークルKのKとそれを囲む丸の赤。よくぞ発見されました!だからどうってことは何もないのだが、こんなこと言われてへーって思うと、何だか古い角質のたまった心のピーリングができそう。

4月のねじまき句会は尾張旭の水野奈江子さんと秋田の一帆さんが参加してくださった。

頂上の手前がいつも混んでいる  水野奈江子

見逃してあげるさくらの有頂天  一帆

ねじまきスタイルは、選んだ理由も選ばなかった理由を述べることなので、お二人にもどんどん意見をうかがった。私たちは楽しく活気のある時間を過ごさせていただいたが、お二人にも楽しんでいただけただろうか。
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by nezimakikukai | 2017-04-25 23:10 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

練習帖なるもの。

好奇心から「俳句川柳短歌の練習帖」(土屋書店)という本を開いてみた。「上級テクニック」がマスターできるらしい。「うまくなるポイント」が書いてあるらしい。そして「これ一冊解けば作品力がつく!」という問題が載っているようだ。本当は俳句や短歌についても読んで比べてみたかったのだが、ひとまず川柳の部分を拾ってみた。「どれが本当の川柳?」というセンセーショナルなタイトル。「本当の」って何なんだろう。駄洒落や語呂合わせはだめだということはわかるのだが、「川柳的含み」が感じられるかどうかで本当の川柳か否かを判断するというのはよくわからない。そもそも「川柳的」って何なのだ。それこそ、何を「川柳的」とするかがさまざまなのではないのか。「言葉のセンスアップ」のページものぞいてみる。陳腐な説明は避けるとか慣用表現は使わないとかの、やってはだめですよのアドバイスは確かにそのとおりだと思う。こういうのがいいですよ、という説明は難しいのかなかなかしっくりこない。ふうん、これが練習帖なるものなのだな。書店でこの本を手に取る人がいて、ちょっと書いてみたくなって、川柳を始めるきっかけになったら幸いである。句会に出会い、人と出会い、いろんな作品を読んで、そこから先はきっと自分で考えて、行き詰って、また考えて書いていくしかないのかなあと思った次第である。
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by nezimakikukai | 2017-04-18 23:26 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

清潔な終焉を聴く貝の耳   小池正博

私はこの句から聞こえてくる静寂が好きである。終焉は清潔で、それを聴くのは耳、そして耳は貝。どこまでも静かな世界だ。肯定も否定もない世界の耳。

「川柳カード」が3月発行の第14号をもって終刊した。冒頭の句は、その14号の小池正博さんの10句『動物図鑑』の最後に置かれている。そうなると意味深長な気もするのだが、それ以上にわたしには堀口大学の訳詩を思い出させる。

わたしの耳は貝の殻  海の響きを懐かしむ
    (ジャン・コクトー  堀口大学訳)

郷愁を感じさせる響きはそのせいだったかもしれない。
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by nezimakikukai | 2017-04-11 23:25 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

鉄塔は鉄の頃からさびしがり   なかはられいこ

3月の題詠「頃」の最高点句。鉄塔に鉄の頃があったのはあたりまえのことだが、そのことに思いを馳せる人はどれほどいるのだろう。わたしがこの句に惹かれるのはまさにその点である。もちろん、さびしがりだと心を寄せることにも共感するのだが、それもこれも鉄の頃があったことに気づいてこそだと思う。川柳を書くということは、対象に対する曇らない眼をもつこと、偏見のない柔軟な視線でまっすぐに見つめることなのではないかと改めて考えさせられた一句である。おぼろげな記憶なので間違いがあるかもしれないが、東京タワーは朝鮮戦争の戦場から帰ってきた戦車や武器を溶かした鉄でつくられたと何かで読んだように思う。あの赤い鉄の塔が生まれたときから悲しい記憶をもっていたという話である。だとすれば、さびしがりなのももっともなことだ。最近、スカイツリーを隅田川の向こうに見る機会があった。川面を見ていてたまたま顔を上げたらライトアップされた美しい塔があって、「ん?スカイツリー?」と気づいたのだが、あっけらかんとして割に感動が少なかった。さびしがりだった頃のない素材で構築されているせいだろうか。
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by nezimakikukai | 2017-04-05 01:38 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

小池正博氏来名。

「来名」と入力しようとしたら、「雷名」が出た。確かに、名声とどろきわたる小池さんなり。次に「雷鳴」。雷の鳴るごとき厳しい批評で句会をバッサリ!・・・いえいえ穏やかな小池さんであった。で、やっと「来名」。川柳のためなら全国どこへでも飛んでいく小池さんが、ねじまき句会参加のために名古屋に来てくださったのだ。遠いところをようこそ!と、青砥和子さんの計らいで小池さんを囲む名古屋飯の会を催したあと、句会に参加していただいた。小池さんにも事前に投句をしていただき、いつものように作者名を伏せた状態で選句をする。選んだ理由、選ばなかった理由も他のメンバーと同じように述べていただいた。いつものメンバー以外の方の意見が聞けるのは新鮮で楽しい。その句会の結果報告は来週にはできる予定。
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by nezimakikukai | 2017-03-21 22:49 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

樹萄らきさま

いつも「ねじまき」を読んでくださってありがとうございます。
らきさんの送ってくださる冊子には、その年のらきさんがぎっしり詰まっているので、一度もらきさんにお会いしたことのない私ですが、旧知の間柄のように錯覚してしまいます。2016年のタイトルは「霧隠才蔵様ですね奥へ」でした。さあ、私はページが開けません。霧隠才蔵は奥へ案内されるのだな。猿飛佐助はあかんのか?たしかに才蔵さんはかっこよさそうだけど、そういう問題か?なんで才蔵さんだけOKなのかと立ち止まってしまうからです。挙句の果てに、いいや、才蔵様ってことにしよ、と奥に分け入ってしまうのですけどね。ひとたびページを開くと、そこは一面の〈らきさんワールド〉。楽しく交信させていただきました。毎年こうしてらきさんにお会いできることを楽しみにしております。2016年のらきさんの川柳から。

いざいざいざ春に怯むはいとおかし
空に問う大きいものは何ですか
雨がくるでんぐり返るどんでん返る
新しいノート引っ掻き傷模様
角度にも弱さはあって三角定規

2017年もいっぱいらきさんの言葉をつづってください。
ねじまきもがんばります。
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by nezimakikukai | 2017-03-14 20:39 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

愛とルッコラ

雪の日よ今日さがすのは愛とルッコラ   魚澄秋来

サラダがつくりたかったのだろうか。ルッコラのサラダが食べたいと思ったら、もうどうしてもルッコラ!みたいな。ついでに愛もさがしてみたというような愛のさがし方に嫌みがない。ルッコラと一緒に探す愛なら重苦しくなくていいかもしれない。冒頭の「雪の日よ」がよく効いている。すーすーとした冷たさがあって、雪の日にわざわざさがすルッコラであって、ついでにさがされる愛があって、なにやら妙におもしろく、かつ爽やかである。よく知っていると思うのだけれど、食べてみると微妙に自分の知っているのとは違う味のものを舌の上で転がしているような不思議な感覚がある。
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by nezimakikukai | 2017-03-07 22:56 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

「川柳木馬」第150・151号合併号

高知から文旦が届いた日、同じく高知から「川柳木馬」が届いた。川柳木馬とかけて文旦ととく、その心は、どちらもいい匂い。巻頭は「作家群像・徳長怜 篇」である。またまた、いい匂い。怜さんとは、「カード」の大会の二次会のあと一緒に地下鉄までダッシュした仲である。あのときは清水かおりさんも一緒だった。あちらこちらで徳長怜さんの句に出会って、いつからか何かあると怜さんの句を探すようになっていた。でもこうして、まとまったかたちで句を読ませていただいたのは初めてだったので、とてもうれしかった。

長期予報ではあなたは海である

じゃあ短期予報だと何なのだろうとか、長期予報で海だという人を私は好きになれるのだろうかとか、ついつい考えてしまう。作者の投げた言葉の先で遊ばせてもらう楽しさ。しかもなかなか気持ちいい。

バス停は武士になる気で立っている

やっぱりなあ。怜さん、そうだと思ったよ。まちがいなく武士!思わず納得させられる。

舟偏をつけてたゆたうのも一手

なんてシャープ!うまい!だけど、それだけじゃない。あり得ないことなのだけれど、舟偏をつけてたゆたうことができそうな気がするのだ。

徳長怜さんの言葉は、想像力をぐわんと刺激する一錠である。
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by nezimakikukai | 2017-02-28 20:19 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

「頁」

この間の日曜日が句会だった。実質的に今年最初の句会。題詠は「頁」。今年の最初にいかにもふさわしい題である。2017年の「新しい頁を開く」句会というわけだ。題との出会いは本当にありがたいことで、「頁」という字に「けつ」という読みがあることも「頁岩」という岩石のことも初めて知った。題詠の句のひとつひとつは、とても他人様とは思えない顔をして並んでいるように見える。「頁」という一文字をああでもないこうでもないと、矯めつ眇めつして呻吟した時間をメンバーと共有していたことに気づかされる。そうそう、それも考えた。ああ、それも句にしたいと思ったけどうまくいかなかった。だから出てきた句には妙に親近感があるのだ。自分がものにできなかった着想をしっかりと一句にしている作品には一抹の悔しさを覚えつつ感服する。それぞれの苦労がしんしんと伝わってくる第一「頁」であった。
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by nezimakikukai | 2017-02-21 23:47 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)

ねじまきできました。

「ねじまき」#3がやっと完成しました。まだ印刷所から届いたばかりです。部屋の隅に積み上げられてしんとしずもっています。まだ沈黙を守っている・・・そんな感じです。今週の日曜日が句会なのでやっとメンバーの皆さんにもお届けできます。そのあと、待っていてくださった方にも順次発送して参ります。本当に大幅に予定が遅れてしまって申し訳ありませんでした。こちらにコメントをくださった樹萄らきさん、あと少しお待ちくださいね。
「ねじまき」♯3は、1冊500円。送料は200円です。読んでみたいと思ってくださる方、ご注文はコメント欄からも受け付けております。まず、コメント欄にその旨をお書きくだされば、その後メールで詳細(送り先住所、振込口座など)をやりとりいたします。どうぞよろしくお願い致します。
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by nezimakikukai | 2017-02-14 00:35 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(19)



川柳句会「ねじまき句会」の公式サイトです
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