月刊 ★ ねじまき 

ねじまき吟行会2016

2016年5月15日  白鳥庭園(名古屋市熱田区)

なかはられいこ

古今東西どちら向いても鯉の口
ぬるぬると鯉がひしめく北出口
こもれ陽が猫のかたちに揺れている
鳥が来て滝の水音ト長調
メルカトル図法で描く花しょうぶ

丸山進

餌撒くと鯉鳩烏ドロ試合
魂を水琴窟に吸われたり
竹林を抜けると風は素の匂い
関係者以外となり覗く茶会
汐入の湾曲よミスユニバース

二村鉄子

今月をぜんぶまとめて海苔でまく
砂が石に池が鯉に問いただす
赤と黒共通の敵椎若葉
泣き声にもれなく鳩がついて来る
大名古屋足下の水に濁りあり
 
瀧村小奈生

わたしだけ椚の匂いするみたい
水の音なのか木漏れ日だったのか
タメ口ですり寄ってくる鯉の群れ
やり直してもやり直しても筧
首筋に虹光らせて鳩が来る

三好光明

古傷を思い出させる池の鯉     
飛行機雲松の小枝をつらぬいて
水音に応えて揺れる花菖蒲
浮き島に鴨と亀さん阿弥陀籤
飛び石に右か左か迫られる

安藤なみ

借景を関守石が邪魔をする
皮を来て新竹青く立ちあがる
由緒ある庭に芝生は遠慮がち
ミファソまで弾ける水琴窟である
「のぞき」叶わず能書きを読み返す

中川喜代子

クチパクの鯉は静かな合唱団
新緑を飲んで少うしふくらます
石垣は知っているはず焼夷弾
マンションの洗濯物が見てる庭
腰折って 水琴窟は経を読む

犬山高木

白鳥で七億円の鯉さがす
おいアヤメ俺は今から昼飯だ
書割の庭園またぎ大あくび
高みまで一反木綿青い青い
ここからは立ち入り禁止コイのソノ

青砥和子

河骨と水底揺らす鯉尾鰭
鯉大口わたしは何も持たぬもの
水琴窟聞こえる耳と聞けぬ音
滝落ちて都会の音を押し流す
行き先はひとつにあらず吟行会
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by nezimakikukai | 2016-05-17 18:48 | 句会結果報告 | Comments(0)
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