月刊 ★ ねじまき 

題詠「然」。

ねじまき句会の題詠の題は漢字一文字である。2014年は部首が〈れんが〉の漢字シリーズ。そして、6月句会の題は「然」だった。厳守すべきルールは、必ずこの漢字を含む句をつくることである。題は大きな契機であり、わたしたちは普段向き合ったことがないものと出会うチャンスを得る。お、来月の漢字はいけそう、などと思うのは錯覚で、取り組んでみると、やりやすい題などあったためしがない。それも含めて、適切な題の設定方法ではないかと思っている。
では、題詠「然」から一句。

偶然と出会うカムチャッカ半島で   なかはられいこ

固有名詞の力を存分に生かした句である。広大なロシアの東の端っぽから、だらしなくどろんと垂れ下がったあの半島。そんなところで出会う偶然とはどんなものなのか。いやもう、どうでもいい感じだ。そう言えば、谷川俊太郎さんの詩には「カムチャッカの若者」が出てきた。音には聞き覚えがあり、地理的な現実認識は薄い感触と、「偶然と出会う」という曖昧な設定とのバランスがよい。一生行かないに違いない場所のひとつである。
なかはらさんは、こういう力を秘めた固有名詞を見つけ出すのがうまい。以前の句会にこんな句もあった。

これはもう体言止めでチチカカ湖   なかはられいこ
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by nezimakikukai | 2014-07-08 13:41 | 火曜日にはねじをまく。 | Comments(0)
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